研究室・教員

研究室紹介

情報機構学講座 Laboratory of Genetic Mechanisms
分子修飾制御学グループ Group of Molecular and Cell Biology

教授
嘉村 巧ユビキチンシステムに制御される生命現象の解明
講師
中務 邦雄オルガネラの恒常性維持におけるタンパク質修飾システム
講師
奥村 文彦ユビキチン様分子ISG15依存性タンパク質翻訳制御と自然免疫応答の関連性の解析
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English
嘉村 巧教授
研究室のメンバー

私たちの体の中でタンパク質は必要なときに合成され、その役目を終えると分解されています。従来タンパク質はその合成過程で厳密にコントロールされ、分解過程は細胞内で不要になったものの単なるゴミ処理機構と考えられていました。しかしながら近年の研究により、実はタンパク質分解もさまざまな生体機能を積極的にコントロールする制御系であることが明らかになり、非常に関心を集めています。私たちは、この中でもユビキチン-プロテアソーム系を介したタンパク質分解機構に注目し研究しています。

ユビキチンシステム

1)ユビキチン−プロテアソーム系によるタンパク質分解

ユビキチンは発見された際に細胞内に普遍的(ユビキタス)にあることよりこのように命名された分子量8.6kDaの小さな分子です。ユビキチンは、E1、E2、E3の三種類の触媒酵素群を介して標的タンパク質へ付加されます。タンパク質にユビキチンが付加されますと、分解シグナルとなり細胞内分解装置のプロテアソームに運ばれ分解されます。私たちは、このユビキチン−プロテアソーム系によるタンパク質分解に関する研究を続けていますが、最近はどのようなタンパク質がユビキチン修飾を受け分解されるのか、あるいは、これらユビキチン依存性タンパク質分解によってどのように生命現象が制御されているのかに関心を持っています。

2)Cullin型E3は様々な生命現象をコントロールする

E3は生体内に多数(ヒトで1000種類前後)存在し特異的基質を認識する重要な役割を担っています。その中でもCullin型E3と呼ばれる複合体型E3ファミリーが、細胞周期進行やシグナル伝達など様々な生命現象に関与していることが明らかになっています。私たちは出芽酵母やヒト培養細胞を用いてCullin型E3の機能解明の研究を行なっています。

ユビキチンシステムによって制御される生命現象の解明

細胞が増殖するためには染色体DNAが正確に複製されることが必要です。DNAに傷害がある場合でも細胞はその傷害を乗り越えながら複製を完了しなければなりません。複製装置には様々なタンパク質が含まれていますが、出芽酵母を用いた最近の研究により複製装置にユビキチンリガーゼが組み込まれており、障害を持ったDNAの複製に関与していることが明らかになってきました。私たちはこのユビキチンリガーゼがどのようなタンパク質を認識、破壊することにより、どのようにDNA複製に関与するのか明らかにしたいと考えています。

真核細胞には脂質二重膜で覆われた様々なオルガネラがあり、生命の維持に必要な機能を分担しています。オルガネラが恒常性を維持して適切な機能を発現するには、局在するタンパク質の量と質(高次構造)が、ユビキチンシステムを中心とした「品質管理機構」によって厳密に制御される必要があります。私たちはタンパク質の品質管理機構の研究を通じて、オルガネラの恒常性維持と機能発現のメカニズムに迫りたいと考えています。

図1

References

     
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