論文紹介

第3回論文紹介(2004.6更新)

グループ名
遺伝子実験施設 ゲノム学
著者
小内 清、森下 めぐみ、金子 貴一、田畑 哲之、石浦 正寛
タイトル(英)
Natural transformation of the thermophilic cyanobacterium Thermosynechococcus elongatus BP-1: a simple and efficient method for gene transfer
タイトル(日)
好熱性藍色細菌の自然形質転換: 簡便で効率的な遺伝子移入法
発表された専門誌
Molecular Genetics and Genomics 271: 50-59 (2004) [PubMed]

別府温泉で分離された好熱性藍色細菌Thermosynechococcus elongatusの至適生育温度は約55℃である。T. elongatus由来のタンパク質は熱安定性が高いので、生化学的解析やX線結晶構造解析に適している。また、全ゲノム塩基配列が決定され、ゲノム情報が利用可能である。しかし、遺伝子移入法などの遺伝子操作を行うための実験系はほとんど確立されていなかった。我々は、T. elongatusの自然形質転換を発見した。この自然形質転換を最適化し、簡便で効率的な遺伝子移入法を確立した。我々の方法は、形質転換体を液体培地中で増幅させることなく寒天培地上で直接選択できる。また、宿主の遺伝子やオペロンを破壊することなく遺伝子移入を行うことができるターゲッティングサイトとそのためのターゲッティングベクターを開発した。さらに、T. elongatusのコドン使用頻度に最適化した耐熱性カナマイシン耐性遺伝子を開発した。この人工合成遺伝子を用いることで、52℃という高温条件下で形質転換体を選択することが可能となった。最適条件下における自然形質転換効率は、1μg DNAあたり1.7×103形質転換体であった。得られた形質転換体は、相同組換によってターゲッティングサイトに組込まれた外来DNAを安定に保持していた。我々の方法によって、T. elongatusの遺伝子操作を自在に行えるようになった。

図1:


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