論文紹介

第3回論文紹介(2004.6更新)

グループ名
遺伝子実験施設 ゲノム学
著者
宇津巻 竜也、藤田 正康、中津 亨、林 史夫、柴田 洋之、伊藤 典代、加藤 博章、石浦 正寛
タイトル(英)
Crystal structure of the C-terminal clock-oscillator domain of the cyanobacterial KaiA protein
タイトル(日)
藍色細菌時計タンパク質KaiAのC末端時計発振ドメインのX線結晶
発表された専門誌
Nature Struct. Mol. Biol., 2004,11(7):623-31. [PubMed]

藍色細菌の生物時計装置は時計タンパク質KaiA、KaiB、KaiCから構成されている。時計遺伝子クラスターkaiABCは2つのオペロンより構成されており、KaiAはkaiBCオペロンの発現を促進し、KaiCはその発現を抑制する。

我々は、KaiAの構造-機能相関を原子レベルで解明した。KaiAは、時計発振の振幅を増幅するN末端振幅増幅ドメイン、周期を24時間に調節する中央部の周期調節ドメイン、時計の発振を司るC末端時計発振ドメイン、の3つの機能ドメインより構成されていた。時計発振ドメインは、KaiAの二量体化やKaiCとの結合、KaiCリン酸化の促進にも必須であった。

別府温泉産の好熱性藍色細菌Thermosynechococcus elongatusのKaiAの時計発振ドメインを結晶化し、1.8Å 高解像度で結晶構造を解明した。KaiAは二量体であり、二量体分子の凹面の最深部にある270番目のヒスチジン残基(His270)がKaiCとの結合やKaiCリン酸化の促進に重要であり、時計発振には必須であった。KaiAはこの凹面を介してKaiCと結合することが予想された。立体構造に基づいて、一アミノ酸残基置換変異が如何にしてリズム変異を引き起こすかの因果関係を解明した。

図1:


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