論文紹介

第3回論文紹介(2004.6更新)

グループ名
超分子機能学 感覚運動
著者
本間幹啓、 塩見大輔、本間道夫、川岸郁朗
タイトル(英)
Attractant binding alters arrangement of chemoreceptor dimers within its cluster at a cell pole.
タイトル(日)
誘引物質結合は細胞極クラスター内での走化性受容体ダイマーの配向を変化させる
発表された専門誌
PNAS 101, 3462-3467 (2004) [PubMed]

大腸菌走化性受容体は,細胞外からの刺激を受容して細胞質のヒスチジンキナーゼCheAの活性を制御します.この受容体は刺激の有無に関わらずホモダイマーを作るので,膜の外から内への情報伝達はダイマー内構造変化によって起こります.一方,1細胞あたり数千分子ある受容体のごく一部が刺激を受けただけでも菌は応答を示します(シグナル増幅).受容体が細胞の極でクラスターを形成することから,シグナル増幅は受容体ダイマー間相互作用によって起こるのではないかと考えられています.しかし,生体内で受容体ダイマーどうしが本当に相互作用するかどうかは不明でした.そこで,私たちは,ダイマー間相互作用を解析する系を構築しました.具体的には,アスパラギン酸受容体Tarのダイマー内サブユニット界面とダイマー外表面にCys残基を導入して,サブユニット間S-S架橋の形成を調べました(図1).その結果,ダイマー内とダイマー間の架橋によるオリゴマーが検出されました.さらに,アスパラギン酸存在下では,ダイマー間架橋形成は有意に低下しました(図2A).一方,TarとGFPの融合タンパク質は,アスパラギン酸の有無に関わらず極に局在しました(図2B).その他の結果も併せて,(1)Tarダイマーどうしが相互作用していること,(2)アスパラギン酸結合によってTarの局在は大きく変化せず,クラスター内でのダイマー間相互作用が変化することが示されました.

図1:

図2:


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