論文紹介

第5回論文紹介(2005.5更新)

グループ名
遺伝子実験施設 ゲノム学
著者
杉山康雄、渡瀬雄介、長瀬正和、牧田尚之、矢倉聡一、平井篤志、杉浦昌弘
タイトル(英)
The complete nucleotide sequence and organization of the tobacco mitochondrial genome: comparative analysis of mitochondrial genomes in higher plants.
タイトル(日)
タバコミトコンドリアゲノムの全塩基配列決定と構成:高等植物ミトコンドリアゲノムの比較解析
発表された専門誌
Mol. Genet. Genomics 272, 603-615 (2005). [PubMed]

タバコは異質倍数体植物におけるミトコンドリアDNA (mtDNA)の起源を調べ、また、植物細胞の様々な機能におけるミトコンドリアと葉緑体の遺伝的相互作用を研究する上で有用である。その第一歩として我々はNicotiana tabacumのmtDNA配列を決定した。その結果、N. tabacum mtDNAは430,597塩基対のマスターサークル(MC)構造であること、リピート配列を介して6個のサブゲノムサークル(SC)構造をとりうること、そして、MCとSCからなるマルチパータイト構造であることが推定された(図1)。N.tabacum mtDNAには36種類のタンパク質遺伝子、3種類のrRNA遺伝子、21種類のtRNA遺伝子があった。シロイヌナズナ、テンサイ、イネ、ナタネ、及び、タバコのmtDNA構造と遺伝子を比較し、高等植物進化の過程でミトコンドリアはゲノム構造の再編成を繰り返してきたこと、その際、遺伝子コード領域はプロモーターと共に再編成されたわけではないことを明らかにした。またゼニゴケから被子植物へ進化する過程でmtDNAから遺伝子が消失していく過程を系統樹上に描いた(図2)。

図1:

タバコミトコンドリアのマルチパータイトゲノム構造
マスターサークル構造と順方向リピート配列での相同組換えによって生じるサブゲノムサークル構造の混合物として描くことができる。これら多数の環状DNAが個々のミトコンドリアへどのように分布しているか不明である。

図2:


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