論文紹介

第11回論文紹介(2008.6更新)

グループ名
遺伝子実験施設、植物ゲノム
著者
村上怜子、三宅あゆみ、岩瀬 亮、林 史夫、宇津巻竜也、石浦正寛
タイトル(英)
ATPase activity and its temperature compensation of the cyanobacterial clock protein KaiC.
タイトル(日)
藍色細菌の生物時計タンパク質KaiCのATPase活性とその温度補償性
発表された専門誌
Genes to Cells, 13, 387-395, 2008

藍色細菌の生物時計分子装置は、主に3つの時計タンパク質、KaiA、KaiB、KaiCから構成されている。これらの3つのタンパク質は、ATP存在下の試験管内で24時間周期の自律振動を生み出す。3つのタンパク質が互いに複合体形成、生化学的修飾を行い、構造変化、状態変化することによって時計発振が起こると考えられている。KaiCはN末端ドメインとC末端ドメインにそれぞれATPaseモチーフを持っており、N末端ドメインのモチーフは6量体化に関与し、C末端ドメインのモチーフはサブユニット間リン酸化に関与することが分かっている。

本研究では、KaiCのATPase活性を生化学的に探索し、N末端ドメインとC末端ドメインが共に極めて弱いATPase活性を持つことを明らかにした。この活性はKaiAによって促進され、リン酸化部位欠損変異によって促進された。また、野生型のKaiCでは、温度を25℃から50℃に変化させてもATPase活性はほぼ一定に保たれたが(温度補償性)、リン酸化部位欠損変異体KaiCでは、活性は温度に依存して変化した。以上の結果は、KaiCはリン酸化状態の制御を介してATPase活性を制御し、ATPase活性の温度補償性に関与していることを示唆している。

図1:

図2:


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