論文紹介

第11回論文紹介(2008.6更新)

グループ名
超分子機能学講座 生体膜機能
著者
須藤雄気、古谷祐詞、岩本真幸、加茂直樹、神取秀樹
タイトル(英)
Structural changes in the O-decay accelerated mutants of pharaonis phoborhodopsin.
タイトル(日)
活性型光化学O中間体の崩壊速度と構造変化の関連性
発表された専門誌
Biochemistry 47, 2866-2874 (2008)

生物は、有害な紫外線を避けるための蛋白質を保持している。ある種の細菌は2種類の紫外線センサー蛋白質、センサリーロドプシンI(SRI)とフォボロドプシン(pRもしくはSRII)を持ち、これらが下流のリン酸化カスケードを通して、べん毛モーターの回転方向を制御する。これにより紫外線を回避する「負の走光性」が実現する。光によるセンサー蛋白質の励起により反応がスタートし、M中間体及びO中間体と呼ばれる2つの中間体が形成された時にシグナルがONになることが知られている。これら中間体は、他の光受容蛋白質のそれと比べて、2桁程度長寿命であることが知られているが、これは、活性化状態を出来るだけ維持し、リン酸化反応を効率よく行うためと考えられている。この論文では、このうちO中間体に着目し、これまで得てきたO中間体崩壊速度を変化させる中間体と、FTIR分光法により明らかにした構造変化の関係を調べた。その結果、第六・第七ヘリックスの構造変化と予想される信号と、O中間体崩壊速度に正の相関があることが見出された(図1)。システイン残基の構造変化の結果と併せ、なぜO中間体が長寿命であるのかを明らかにすることができた。

図1:

フォボロドプシン(ppR)の構造(左)、FTIR法で観測された構造変化(中)と、様々な変異体のO中間体崩壊速度との関係(右)。ヘリックスの構造変化とO中間体の寿命(崩壊速度)との間に正の相関があることがわかる。


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