論文紹介

第11回論文紹介(2008.6更新)

グループ名
構造生物学研究センター(超分子機能学 超分子構造)
著者
水野直子, 成田哲博、昆 隆英、須藤和夫、吉川雅英
タイトル(英)
Three-dimensional structure of cytoplasmic dynein bound to microtubules.
タイトル(日)
細胞質ダイニンの三次元構造
発表された専門誌
Proc Natl Acad Sci U S A. 104 20832-7 (2007)

ダイニンは微小管上をマイナス端に向けて移動するモーター蛋白質で、微小管が関係する広い範囲の細胞運動に重要な役割を果たしている。モータードメインだけで500kDa程度ある巨大な蛋白質で、良く研究されているキネシンやミオシンとは全く異なる機構で動いていると考えられる。その機構を知るためには微小管との結合状態の構造を知ることが必要不可欠である。これまでに決定されている構造は電子線トモグラフィーによる4nm程度のものだけで、モーターメカニズムを知るためにはまったく不十分であった。

私達は独自の画像解析法とクライオ電子顕微鏡法を組み合わせて、分解能2.6 nmで細胞質ダイニン-微小管複合体構造を決定した。この構造から初めてダイニンの各ドメインと微小管の結合状態における位置関係がわかった。ダイニンと微小管をつなぐストークと呼ばれるコイルドコイル構造は残念ながら分解能不足で見えなかったが、ダイニン-微小管複合体構造が決定可能になったことはダイニンのモーターメカニズムを知る上で大きな一歩である。

図1:

ダイニン-微小管複合体のクライオ電子顕微鏡写真

図2:

a,b: 決定されたダイニン-微小管構造 c: ダイニン構造の拡大図 d: アサインされたダイニンの各ドメイン


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