論文紹介

第28回論文紹介(2016.11更新)

グループ名
分子修飾制御学グループ
著者

奥村 文彦, 植松 桂司, Stuart D. Byrne, 平野 みえ, 奥村(城尾) 晶子, 錦見 昭彦(北里大学), 執印 太郎(高知大学), 福井 宣規(九州大学), 中務 邦雄, 嘉村 巧

タイトル(英)
Parallel Regulation of von Hippel-Lindau Disease by pVHL-Mediated Degradation of B-Myb and Hypoxia-Inducible Factor α.
タイトル(日)
pVHL依存的なB-MybとHIFαの分解はそれぞれ独立してVHL病を制御している
発表された専門誌
Mol. Cell. Biol. 2016 May 31;36(12):1803-17. doi: 10.1128/MCB.00067-16. Print 2016 Jun 15.

VHL病(腫瘍が主症状)の発症メカニズムは解明されつつある。すなわち、pVHLがその基質分子であるHIFαをポリユビキチン修飾し、プロテアソーム依存的に分解し、HIFαの量を制御する、という機構の破綻によるものである。私たちは、pVHLの新規基質を探索した結果、転写因子B-MybをpVHL結合タンパク質として同定した。B-Mybは血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体や血小板由来成長因子(PDGF)受容体依存的にそのリン酸化されるとpVHLに認識されにくくなり、安定化することが示唆された。 次に、pVHL欠損細胞株786-Oの腫瘍形成能を指標にB-Mybの生物学的な役割を検討した。B-Mybをノックダウンした786-O細胞をヌードマウスの皮下に移植したところ、腫瘍形成能の著しい亢進が認められた。B-Mybは転写因子であるので、どのような遺伝子群の変動が腫瘍形成能の亢進に寄与しているのかをマイクロアレイ解析により検討した。その結果、HIF経路で制御されている遺伝子群の有意な変動は認められなかったことから、HIF経路「非依存性」の経路を制御していることが示された。これらの結果はB-MybがHIF経路とは別の経路を制御することでVHL病の発症や進行を抑制していることを示唆している。

図1:


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