論文紹介

第28回論文紹介(2016.11更新)

グループ名
分子神経生物学グループ(行動遺伝学チーム)
著者

Jeongho Kim, Hye-Yeon Lee, Jheesoo Ahn, Moonjung Hyun, Inhwan Lee, Kyung-Jin Min, Young-Jai You


タイトル(英)
NHX-5, an Endosomal Na+/H+ Exchanger, Is Associated with Metformin Action.

タイトル(日)
2型糖尿病治療薬メトホルミンの作用に、エンドソームNa+/H+交換輸送体が関与する
発表された専門誌
The Journal of Biological Chemistry, 291(35):18591-9 (2016)


糖尿病は、現在世界で4億2千万人以上にものぼる患者がいますが、その約90%は、代表的な生活習慣病のひとつでもある2型糖尿病です。2型糖尿病の治療薬の中でも、世界で最もよく処方されている経口投与薬メトホルミンは、筋肉や脂肪組織への糖(グルコース)の取り込みを増加させつつ、肝臓での糖新生を減少させることで、血糖値を下げ症状を改善させます。メトホルミンが影響する生体内分子は、これまでにもいくつか報告がありますが、他にも未知の重要な作用標的分子があると考えられており、特に、メトホルミンが直接結合する分子はまだ発見されていませんでした。今回、ユ・ヨンジェ特任准教授を中心とする日米韓の国際研究チームは、線虫C. elegansとキイロショウジョウバエを用いて、そのような直接標的分子の新たな候補として、細胞内エンドソーム膜に存在する Na+/H+交換輸送体(図1;NHX-5)を発見しました。さらに、その作用メカニズムとして、「NHEが担うエンドソームの細胞内輸送と、それが関わる細胞内代謝の調整」を提唱しました。

図1:エンドソーム経路


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