論文紹介

第28回論文紹介(2016.11更新)

グループ名
発生メカノセルバイオロジーグループ
著者

Nanako Ishibashi, Chiyoko Machida, Yasunori Machida

タイトル(英)
ASYMMETRIC LEAVES2 and FASCIATA2 cooperatively regulate the formation of leaf adaxial-abaxial polarity in Arabidopsis thaliana
タイトル(日)
シロイヌナズナのASYMMETRIC LEAVES2とCAF-1のサブユニットをコードするFASCIATA2は葉の向背軸形成を協調的に制御している
発表された専門誌
Plant Biotechnol. 30, 411-415 (2013)

シロイヌナズナの葉が扁平になるには葉の向背軸性の確立が重要である。今回植物固有のタンパク質をコードするASYMMETRIC LEAVES2 (AS2) とクロマチンリモデリングに関わるChromatin assembly factor-1 (CAF-1)複合体の構成因子をコードするFASCIATA2 (FAS2)が葉の向軸側面の確立に協調的に機能することを明らかにした。また、遺伝子発現解析の結果から、AS2FAS2は葉の背軸側化に関わる遺伝子の転写を抑制することで葉の向軸側化を正に制御していることが示唆された。しかし、as2fas2及び二重変異体におけるETT/ARF3などの裏側化遺伝子の転写レヘべルの変動を見ると、協調的な効果は明瞭ではなく、 加算的である可能性も考えられる(図1)。また、多くの二重変異体で協調的に上昇したYAB5は、fas2単独では変化が無く、as2 fas2でもas2単独と同程度であった。このように、as2 fas2の表現型に対するfas2の効果はこれまでのmodifiersと類似しているが、分子レべルで見るとこれまで知られているmodifiersとは異なっている可能性がある。AS1-AS2とmodifiers による裏側化遺伝子の抑制には複数の仕組みが関わっているのかもしれないが、これは今後の課題である。

図1:AS1-AS2とmodifiersタンパク質による裏側化遺伝子の抑制が葉の表・裏文化に重要であるが、抑制の分子機構は不明である

AS1とAS2は核小体の周辺で共局在し、AS2 bodyと呼ばれるスペックルを形成する。また、最近の研究によればCAF-1も核小体の近傍に局在する。


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