論文紹介

第28回論文紹介(2016.11更新)

グループ名
超分子機能学講座超分子構造学研究グループ(分子生物第三/構造生物学研究センター)
著者

Akihiro Narita, Eiji Usukura, Akira Yagi, Kiyohiko Tateyama, Shogo
 Akizuki, Mahito Kikumoto, Tomoharu Matsumoto, YuichiroMaéda,
 Shuichi Ito, and Jiro Usukura

タイトル(英)
RDirect observation of the actin filament by tip-scan atomic force microscopy

タイトル(日)
アクチン線維のチップスキャン型原子間力顕微鏡によるアクチン線維の直接観察

発表された専門誌
Microscopy, 65(4), 370-377, 2016


原子間力顕微鏡(AFM)は、水中で観察を行うことができるため、蛍光顕微鏡と同位置観察する相関顕微鏡のベースとして期待がかかっている。AFMには試料スキャン型とチップスキャン型がある。蛍光顕微鏡と組み合わせるには試料が動かないチップスキャン型のほうが向いているが、チップスキャン型は探針の制御が難しいため高分解能化が困難である。その中で新しいチップスキャン型AFMであるBIXAMにより、カンチレバーのサイズを大幅に縮小することで時間、空間分解能の向上に成功。アクチン線維を観察することでその性能を評価した。その結果アクチン線維の5.5 nmの分子間隔がはっきりと線として観察でき(図上拡大図)、この線の形の異方性からアクチン線維の極性を精度良く決定することができた。また、アクチン線維にトロポミオシンを結合させたところ、1分子1分子のトロポミオシンがはっきりと観察された(図下拡大図の青矢印)。これらの結果はBIXAMが相関顕微鏡のベースとして十分な性能を持つことを示しており、蛍光分子が観察されたその位置で、生体分子の構造をnmオーダー分解能で観察を行う、新たな相関顕微鏡の実現に向けての大きなステップを踏み出すことができたと考えている。


図1:


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