論文紹介

第29回論文紹介(2017.6更新)

グループ名
超分子機能学講座超分子構造学研究グループ(分子生物第三/構造生物学研究センター)/共同研究グループ名:細胞制御学グループ
著者

山田 駿介、磯貝 卓巳(名大工)、手老 龍吾(豊橋技術科学大)、瀧口 陽子、宇治原 徹(名大工)、木下 専、瀧口 金吾

タイトル(英)
Septin Interferes with the Temperature-Dependent Domain Formation and Disappearance of Lipid Bilayer Membranes.
タイトル(日)
脂質二重膜におけるドメインの形成および消失に対するセプチンの阻害的効果
発表された専門誌
Langmuir・32・12823-12832・2016

脂質二重膜におけるドメイン形成は、細胞膜が担う様々な生理学的機能の調節に重要な役割を果たす。一方、細胞膜を裏打ちする蛋白質の集合体である膜骨格は、細胞膜の構成因子や近傍の分子群に対する拡散障壁または相互作用の足場として働く。従って、脂質二重膜と膜骨格との関係を調べることは、細胞膜の機能を制御する機構を理解するために重要である。細胞骨格の1つであるセプチンは、酸性リン脂質を含む膜表面に散在~連続する線維のネットワークを形成する独特な性質を持つ(Tanaka-Takiguchi et al., Curr. Biol. 2009)。本研究では、平面基質上に作製された脂質二重膜(Supported Lipid Bilayer, SLB)のドメイン形成に対するセプチンの影響を調べた。SLBは、袋状の人工脂質膜小胞(リポソーム)と違って平坦な形状をしているので、膜の動的な性質の観察に有利である。本研究から、ホスファチジルイノシトール(PI)を含むSLBにおいては、冷却/加温によって可逆的にドメインが成長/消失すること、そしてセプチンが冷却によって生じるドメインの成長を阻害する一方、既存のドメインの加温による分散や消滅も阻害することを見出した(図1)。以上から、セプチン線維ないしオリゴマーが、PIとの相互作用を介してドメイン形成を調節する性質をもつことが示された(図2)。

図1:

図2:


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