論文紹介

第29回論文紹介(2017.6更新)

グループ名
分子修飾制御学グループ
著者

奥村 文彦, 奥村(城尾) 晶子, 中務 邦雄, 嘉村 巧

タイトル(英)
Hypoxia-inducible factor-2α stabilizes the von Hippel-Lindau (VHL) disease suppressor, Myb-related protein 2.
タイトル(日)
HIF-2αはVHL病抑制因子B-Mybを安定化する
発表された専門誌
PLOS ONE. 2017 Apr 10;12(4):e0175593. doi: 10.1371/journal.pone.0175593.

VHL病は網膜や腎臓などに腫瘍を頻発する疾患である。VHL病の原因遺伝子pVHLはユビキチンリガーゼであり、hypoxia-inducible factor-α (HIF-α、低酸素応答因子)を不安定化するため、通常はHIF-αの発現は適切に制御されている。遺伝子変異などによりpVHLの活性が低下すると、HIF-αは蓄積しVHL病を発症することが知られている。
私たちは既にv-Myb avian myeloblastosis viral oncogene homolog-like 2 (MYBL2; B-Myb)が、様々な遺伝子群の発現を制御することで、VHL病の発症や進行を抑制していることや、B-MybがpVHL依存的に分解されることを報告している。
今回私たちは、HIF-2αの発現を抑制するとB-Mybのタンパク質発現量が低下することを見出した。B-MybのメッセンジャーRNA量は変化がなかったことから、B-Mybのタンパク質分解の促進が考えられた。そこで、HIF-2αがB-Mybに結合し、安定化している可能性を検討したところ、B-MybとHIF-2αが結合することを見出した。これらのことから、ガン遺伝子であるHIF-2αはガン抑制遺伝子であるB-Mybを安定化し、VHL病の発症や進行を抑制していると考えられる。

図1:


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