論文紹介

第29回論文紹介(2017.6更新)

グループ名
超分子構造学研究グループ(分子生物第三)
著者

中田 遼平、平野 秀美、松浦 能行

タイトル(英)
Structural basis for the regulation of nuclear import of Epstein-Barr virus nuclear antigen 1 (EBNA1) by phosphorylation of the nuclear localization signal
タイトル(日)
Epstein-BarrウイルスEBNA1の核移行が核移行シグナルのリン酸化によって促進される機構の構造基盤
発表された専門誌
Biochem. Biophys. Res. Commun., 484: 113-117 (2017)

Epstein-Barrウイルス(EBV)は腫瘍ウイルスの一種であり、悪性リンパ腫や上咽頭癌などの原因となる。EBNA1は、EBV感染細胞におけるウイルスゲノム維持・複製に必須のウイルスタンパク質である。EBNA1の核移行シグナル内部のセリン(S385)のリン酸化により、宿主細胞の核移行受容体(インポーティンアルファ)との結合が強くなり、核移行が促進されることが以前から知られていた。本研究では、S385がリン酸化されたEBNA1 NLSとインポーティンアルファの複合体の結晶構造を2.0オングストローム分解能で解いた(図1)。また、コントロールとして、非リン酸化EBNA1 NLSとインポーティンアルファの複合体の結晶構造も2.2オングストローム分解能で解いた。これらの結晶構造から、EBNA1 NLSのリン酸化セリン(phospho-S385)の側鎖先端のリン酸基とインポーティンアルファの塩基性アミノ酸残基の静電相互作用により、結合が強くなることが示唆された。

図1:宿主インポーティンアルファとEpstein-BarrウイルスEBNA1のリン酸化核移行シグナルの複合体の結晶構造


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