論文紹介

第29回論文紹介(2017.6更新)

グループ名
生体膜機能グループ
著者

竹川 宜宏、權 秀珍、西岡 典子、小嶋 誠司、本間 道夫

タイトル(英)
HubP, a Polar Landmark Protein, Regulates Flagellar Number by Assisting in the Proper Polar Localization of FlhG in Vibrio alginolyticus
タイトル(日)
細胞極指標タンパク質HubPはVibrio alginolyticusにおいてFlhGの適切な極局在を補助することでべん毛の数を制御する
発表された専門誌
Journal of Bacteriology, 198(22), 3091-3098 (2016)

海洋性細菌Vibrio alginolyticusは1本の極べん毛を持ち、べん毛の数は2つのタンパク質FlhF・FlhGによってそれぞれ促進・抑制される。FlhFは自発的に細胞極へと局在するのに対し、FlhGは極に存在する指標タンパク質HubPを介して極局在する。本研究ではV. alginolyticusにおいて、べん毛数の制御におけるHubPの機能に着目した。hubP遺伝子の欠損により、べん毛数は増加し、FlhGの極局在は完全に失われることを明らかにした。これまで、べん毛数は主に極に局在するFlhFの量によって決定されると考えられてきた。しかし、hubP欠損株ではべん毛数が増加するにも関わらず、極に局在するFlhF量は影響されなかった。またFlhG過剰発現株では、べん毛数が減少するのにも関わらず極局在FlhF量に影響しなかった。これらの結果は、極局在FlhFの絶対量が必ずしもべん毛数を決定する唯一の要因ではないことを示している。本研究から、細胞質FlhGが極に局在するFlhFの量を抑制し、HubPにアンカーされた極局在FlhGが極局在FlhFの活性を抑制する可能性が示された。このようなFlhF、FlhG、HubPによる制御がV. alginolyticusにおいて適切なべん毛形成を行うにおいて寄与すると考えられる。

図1:V. alginolyticusにおけるFlhF、FlhG、HubPによるべん毛数制御モデル

べん毛形成は極に局在するFlhFによって促進される。FlhGは(i) FlhFの量的制御と(ii) FlhFの活性制御という2種類の制御によってべん毛の数を負に制御する。HubPはFlhGの極への適切な局在のために重要である。


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