論文紹介

第30回論文紹介(2017.10更新)

グループ名
超分子構造学グループ(分子生物第三)
著者

小林 純也、松浦 能行

タイトル(英)
Structure and dimerization of the catalytic domain of the protein phosphatase Cdc14p, a key regulator of mitotic exit in Saccharomyces cerevisiae
タイトル(日)
出芽酵母のM期終結を司るプロテインフォスファターゼCdc14pの触媒ドメインの結晶構造と2量体形成
発表された専門誌
Protein Science, 26: 2105-2112 (2017)

細胞周期は正確かつ一方向性に進行する必要があり、タンパク質の可逆的なリン酸化は細胞周期進行の主な制御機構の一つである。サイクリン依存性キナーゼのアンタゴニストであるプロテインフォスファターゼCdc14は、染色体分配や細胞質分裂など、細胞周期のM期後半におこるさまざまなプロセスが適時に進行するように制御するシステムにおいて中心的な役割を果たす。CDC14遺伝子は出芽酵母の生育に必須の遺伝子である。Cdc14pの触媒ドメインだけでも、Cdc14pがもつ「出芽酵母の生育に必須の機能」には必要十分である。本研究で我々は、出芽酵母Cdc14pの触媒ドメインの結晶構造を、アポ状態および基質ペプチドが結合した状態の2状態で、どちらも1.85Å分解能で解いた。この高分解能結晶構造解析により、出芽酵母Cdc14pによる基質認識機構、および、出芽酵母Cdc14pに特有の2量体形成機構の構造基盤が明らかになった。さらに、結晶構造に基づいた変異体解析により、出芽酵母Cdc14pの2量体形成が出芽酵母の生育にとって重要であることが示唆された。

図1:出芽酵母Cdc14pの結晶構造(基質ペプチドとの複合体)


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