論文紹介

第30回論文紹介(2017.10更新)

グループ名
超分子構造学グループ(分子生物第三)
著者

小山 昌子、平野 秀美、白井 菜月、松浦 能行

タイトル(英)
Crystal structure of the Xpo1p nuclear export complex bound to the SxFG/PxFG repeats of the nucleoporin Nup42p
タイトル(日)
ヌクレオポリンNup42pのSxFG/PxFGリピートが結合したXpo1p核外輸送複合体の結晶構造
発表された専門誌
Genes Cells, in press (2017)

Xpo1p(出芽酵母のCRM1ホモログ)は主要な核外輸送受容体(exportin)であり、さまざまなタンパク質やタンパク質-RNA複合体を核から細胞質へ運び出す。核内で積み荷高分子を積載したXpo1p核外輸送複合体は、核膜孔複合体構成タンパク質群(ヌクレオポリンと総称される)がもつFGリピート配列との相互作用により、核膜孔を通過することができるが、核膜孔通過反応における個々のヌクレオポリンの役割はまだ十分に理解されていない。ヌクレオポリンのFGリピート配列にはいくつかのバリエーションがあり、SxFG/PxFGリピート配列はその一種である。SxFG/PxFGリピート配列をもつヌクレオポリンは、主に核膜孔の細胞質側に局在している。本研究で我々は、ヌクレオポリンNup42pのSxFG/PxFGリピートが結合したXpo1p核外輸送複合体の結晶構造を解き、Xpo1pによるSxFG/PxFGリピートの特異的認識機構を明らかにした。また、我々は、Xpo1p核外輸送複合体とヌクレオポリンNup42pの強い結合が、細胞質に局在するYrb1p(核外輸送の荷下ろし促進因子)の作用によって著しく弱くなることを明らかにした。SxFG/PxFGリピート配列をもつヌクレオポリンとの強い結合によってXpo1p核外輸送複合体は核膜孔の細胞質側の出口付近にターゲットされるが、核外輸送複合体解体反応に伴ってXpo1pとヌクレオポリンの結合が弱くなるため、輸送サイクルが滞ることなく速いスピードで回ると考えられる。

図1:ヌクレオポリンNup42pのSxFG/PxFGリピートが結合したXpo1p核外輸送複合体の結晶構造


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