論文紹介

第30回論文紹介(2017.10更新)

グループ名
脳回路構造学グループ
著者

石川 由希、岡本 夏紀、中村 水紀、金 賢洙、上川内 あづさ

タイトル(英)
Anatomic and Physiologic Heterogeneity of Subgroup-A Auditory Sensory Neurons in Fruit Flies
タイトル(日)
ショウジョウバエにおける聴感覚A細胞群の解剖学的および生理学的多様性
Front. Neural Circuits, 28 June 2017 | https://doi.org/10.3389/fncir.2017.00046

ショウジョウバエが持つ聴感覚細胞のうち、広域の音に応答する「A細胞群」と呼ばれる一細胞群については、その特性や機能は、あまりよく分かっていませんでした。私たちは新しく発見した多数のショウジョウバエ系統を使うことで、このA細胞群の軸索投射パターンを単一細胞レベルで徹底解明しました。また同時に、それら神経細胞の応答性をグループ分けして調べました。その結果、これまでの想定をはるかに超える、非常に多様性の高い細胞群であることを発見しました。さらにこれらの細胞は、求愛歌への応答行動にも機能することを見出しました。この聴覚経路は、多様な周波数を含むショウジョウバエの求愛歌の情報を効率よく取り出す仕組みを担っている可能性があります。

図1:聴感覚A細胞群の軸索投射パターンからみる解剖学的多様性

(A) 聴感覚A細胞群の投射領域の数。70%以上の細胞が複数の領域に投射していた。(B) 聴感覚A細胞群の投射領域の組み合わせ。AP領域とAV2領域に投射している細胞が最も多く、これらの領域が強い関係性を持つことが示唆される。

図2:聴感覚A細胞郡の応答性からみる生理学的多様性

(A, B) 聴感覚A細胞群の周波数応答性。聴感覚A細胞群はグループごとに異なる周波数応答性を示した。(C) 聴感覚A細胞群のパルス間隔応答性。パルス間隔応答性に関しても、聴感覚A細胞群はグループごとに多様であった。


pagetop