論文紹介

第30回論文紹介(2017.10更新)

グループ名
生体膜機能グループ
著者

稲葉 敏、西垣 岳彦、竹川 宜宏、小嶋 誠司、本間 道夫

タイトル(英)
Localization and domain characterization of the SflA regulator of flagellar formation in Vibrio alginolyticus.
タイトル(日)
Vibrio alginolyticusのべん毛形成レギュレーターとして働くSflAのドメイン構造と細胞局在
発表された専門誌
Genes Cells ・22(7)・619-627・2017 doi: 10.1111/gtc.12501.

多くの遊泳できる細菌は、べん毛を運動器官として利用している。べん毛がどこに何本作られるかいう、空間的および数値的調節は、細菌種によって異なる。海洋細菌Vibrio alginolyticusの極べん毛本数は、FlhFという遺伝子産物によって正に制御され、FlhGによって負に制御されることによって、一本の極べん毛が形成される。FlhFおよびFlhGを欠く菌は、鞭毛を有さない。 しかしFlhFG欠失における運動障害は、sflA遺伝子の変異によって抑制され、菌体周囲に複数の側べん毛形成をもたらす。SflAは、ビブリオ特異的タンパク質である。 SlfAは、細胞極での鞭毛の成長を促進するか、または未知の機構によって菌のべん毛形成を妨げると考えられる。 SflAに対する蛍光タンパク質融合体は、FlhFおよびFlhGの存在下で細胞の極に局在したが、ΔflhFG細胞における局在はしなかった。一方、 SflAの極性局在化はには、N末端にペプチドグリカン結合(LysM)ドメインおよび不完全なアミノ酸反復を約10コピー含む大きな細胞質部分を有するHubPと呼ばれる膜貫通タンパク質を必要とした。 SflA(S​​flAC)のC末端領域だけの過剰発現によって、ΔflhFGΔsflA細胞の側べん毛形成を抑制した。以上の結果は、SflAが鞭毛に局在し、SflACがΔflhFG株におけるべん毛形成開始を抑制することを示唆している。 本研究において、SflAが側べん毛形成を阻害して、V. alginolyticusにおいて、どのように1本の極べん毛が極に形成されるかというモデルを提案した(図)。

図:

SflAの極べん毛形成におけるその位置と本数をどのように調節するかを示す模式図。 野生型VIO5株では、SflAは極に局在し、Xで示されるべん毛因子といくつかのタンパク質とが相互作用する。極べん毛の数および位置はFlhFおよびFlhGによって調節される。SflAは因子Xに働いてべん毛形成を阻害する。 ΔflhFGΔsflA株では、極べん毛因子Xが機能することでべん毛を形成することができる。F:FlhF、G; FlhG、S:SflA、P:HubP、X:べん毛の形成を開始する未知の因子。


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