論文紹介

第30回論文紹介(2017.10更新)

グループ名
生体膜機能グループ
著者

Zhu, Shiwei、錦野 達郎、Hu, Bo、小嶋 誠司、本間 道夫、Liu, Jun

タイトル(英)
Molecular architecture of the sheathed polar flagellum in Vibrio alginolyticus.
タイトル(日)
Vibrio alginolyticusの鞘に包まれた極べん毛の分子アーキテクチャー
発表された専門誌
PNAS・114: 10966-10971・2017 doi:10.1073/pnas.1712489114

ビブリオ菌のV. fischeriV. choleraeのべん毛モーターの構造が、低温電子断層撮影法(cryo-electron tomogramphy、cryo-ET)によって報告されている。今回、我々はV. alginolytiucsから得られた多べん毛変異体を用いることで、ハイスループットのCryo-ET構造解析を可能にした。約600細胞から約4000個の基部体を再構成した。鞘が存在するものと鞘が存在しないべん毛の基部構造を比べることで、Oリングと名付けた外膜の外の構造を初めて見出した。また、多数の基部体を詳細に解析すると、HリングとMSリングの距離が異なった構造に分類できることが分かり、Hリングが人工モーターのワッシャーのように可変であることを示してた。さらにTリング構成タンパク質遺伝子motXmotYの欠損体を観察することで、Tリングの構造を確認し、13回対称性をもつ構造であることを明らかにした。我々は、MotYとFlgTについては、結晶構造解析をしており、電子顕微鏡の再構成した構造に、矛盾なくあてはめることができた。本研究によりはじめて鞘を持つNa+駆動型モーターの構造的な特徴をCryo-ETで明らかにすることができた(図)。

図:

(A)ビブリオ菌多毛株を急速凍結して、電子顕微鏡観察した像。
(B)撮影したべん毛基部体部分の像を重ね合わせて立体像を構築して、その断面を表示した。
(C)ビブリオ菌べん毛モーターの低温電子断層撮影像から作られた3Dサーフェースレンダリング像。ピンクの構造がTリングを示す。


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