論文紹介

第31回論文紹介(2018.6更新)

グループ名
生体膜機能グループ

著者

尾上 靖宏、竹川 宜宏、錦野 達郎、小嶋 誠司、本間 道夫

タイトル(英)
The role of conserved charged residues in the bidirectional rotation of the bacterial flagellar motor
タイトル(日)
2方向に回転する細菌べん毛モーターの保存された荷電残基の役割

発表された専門誌
MicrobiologyOpen. 2018;e587. https://doi.org/10.1002/mbo3.587

多くのバクテリアは細胞外に生やしたべん毛繊維を時計回りと、反時計回りの2方向に回転させて泳ぐことで、誘引物質に近づいたり、忌避物質から遠ざかったりする。高度に保存された荷電残基のがこれらの運動能に重要とされている。これらの荷電残基が2つの回転方向に対し同等に機能しているのか、それとも一方の回転方向のみに機能するのか不明であった。そこで我々は、テザードセル法を用いて、べん毛モーターの回転速度を2つの回転方向で比較することで調べた。野生型では、両方向の回転速度は、ほぼ同じであった。固定子の荷電残基を中和するような変異でも、両方向の回転速度は、ほぼ同じであった。このことから固定子の荷電残基は、2つの回転方向で同等に機能していることがわかった。しかしながら、回転子の変異では、1つの方向(反時計回り)のみ著しく回転速度が減少するものが見つかった。さらなる解析と、過去の結果を踏まえて、これらの荷電残基は、反時計回りの回転方向の構造をサポートするのに関わっていると結論づけた。

図1:べん毛モーターの模式図

図2:野生型(Wild-type)と回転子の変異体(FliG-K284A)の回転速度


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