論文紹介

第32回論文紹介(2018.10更新)

グループ名
超分子構造学研究グループ(構造生物学研究センター)
著者

Tanaka, K., Takeda, S., Mitsuoka, K., Oda, T., Kimura-Sakiyama, C., Maeda, Y. & Narita, A. (2018)

タイトル(英)
Structural basis for cofilin binding and actin filament disassembly
タイトル(日)
コフィリンによるアクチン線維結合とアクチン線維分解の構造的基礎
発表された専門誌
Nature Communications 9 1860, 2018年

タンパク質が作る細胞内線維の中でも最もメジャーな線維の1つであるアクチン線維を切断、分解する機構をクライオ電子顕微鏡法による構造解析によって解明した。アクチンは動物細胞内で最も量の多いタンパク質とも言われ、集まってアクチン線維を作る。アクチン線維は細胞の中で、細胞を動かし、細胞同士を繋ぎ、細胞の形を作り、物質の取込、排出にも関わるなど、非常に多様で重要な役割を果たしている。当然、これらの機能は、神経回路形成、癌の転移、傷の再生など、より高次な機能にも直結している。アクチンと結合するタンパク質であるコフィリンとそのファミリーは、ほぼ全ての真核生物(動植物、カビ、酵母など細胞核を持つ生き物)で、このアクチン線維の切断、分解において最も重要な役割を果たしている。本研究においては、コフィリンとアクチン線維が結合した状態の三次元構造をクライオ電子顕微鏡法により、マグネシウムイオン1つが直接観察できる3.8Å分解能で解明し(図1)、この三次元構造を基にアクチン線維がどのように切断、分解されているか、詳細なモデルの構築に成功した(図2)。

図1:

図2:


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