論文紹介

第32回論文紹介(2018.10更新)

グループ名
超分子構造学研究グループ(構造生物学研究センター)
著者

Teikichi Ikura, Naoya Tochio, Ryosuke Kawasaki, Mizuki Matsuzaki, Akihiro Narita, Mahito Kikumoto, Naoko Utsunomiya-Tate, Shin-ichi Tate and Nobutoshi Ito

タイトル(英)
The trans isomer of Tau peptide is prone to aggregate, and the WW domain of Pin1 drastically decreases its aggregation
タイトル(日)
タウペプチドのトランス異性体は凝集し、凝集はPin1のWWドメインによって阻害される
発表された専門誌
FEBS Letters, https://doi.org/10.1002/1873-3468.13218, 2018年

過剰リン酸化されたタウの凝集は、アルツハイマーの原因となると言われている。いままでは、タウのpThr231-Pro232のシス異性体がこの凝集を起こすと言われていた。45残基長リン酸化タウペプチドを用いて、その凝集の様子を動的光散乱法、蛍光顕微鏡、電子顕微鏡で測定。また、pThr231-Pro232のシス-トランス状態をNMRで計測した。その結果、45残基長ペプチドが凝集を起こすこと、シス状態からトランス状態への変換を促進するタンパク質Pin1の存在下では、凝集が阻害されないこと、トランス状態のタウにだけ結合するPin1WWドメインを加えると、劇的に凝集が減少することがわかった。これらの結果から、シス異性体ではなく、トランス異性体のほうがタウの凝集を引き起こすことが明らかになった。タウ凝集を原因とするアルツハイマー病の解明、予防に近づく結果である。

図1:


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