論文紹介

第33回論文紹介(2019.6更新)

グループ名
脳回路構造学グループ
著者

工藤 奈々、上川内 あづさ、谷村 禎一

タイトル(英)
Softness sensing and learning in Drosophila larvae
タイトル(日)
ショウジョウバエ幼虫が示す柔らかさ検知とその学習機構
発表された専門誌
The Journal of Experimental Biology, 222(Pt 7), 2019年

採餌行動を左右する要因の一つとして、食物の硬さ・柔らかさが挙げられます。しかし、動物がどのようにして硬さを検知しているのか、その神経機構の理解はあまり進んでいません。私たちは今回、ショウジョウバエの幼虫が、エサ物質の硬さを識別できることを発見しました。ショウジョウバエはエサの中に潜り込んで採餌する、という特徴的な行動を示します。私たちはエサの硬さを人為的に変えることで、この採餌行動の特徴とその制御機構を解析しました。その結果、幼虫は通常は柔らかいエサを好み、この好みが甘さの好みにも影響を与えること、そして幼虫はエサの硬さを連合学習できることを見出しました。さらに、幼虫が好むエサの硬さは、ハエの遺伝的背景によって異なっていました。ハエの幼虫が生得的にもつエサの硬さの好みは、固有の生育環境に適応した結果なのかもしれません。

図1:

ショウジョウバエの幼虫を、2種類の硬さの餌が円周上に配置されたアガロースの上に置いた(左図)。内側のアガロースが柔らかいほど、幼虫は内側の円の中に集まる(右図)。


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