論文紹介

第33回論文紹介(2019.6更新)

グループ名
細胞制御学グループ
著者

進藤 麻子、井上 康博、木下 専、John Wallingford

タイトル(英)
PCP-dependent transcellular regulation of actomyosin oscillation facilitates convergent extension of vertebrate tissue
タイトル(日)
平面内細胞極性経路が制御するアクトミオシンのオシレーションが脊椎動物の組織形態形成を担う収斂伸長運動を促進する
発表された専門誌
Developmental Biology 446 (2) 159-167 (2019)

動物の発生過程では、組織を構成する細胞が集団となって移動し、隣接する細胞が互いに協調しながら適切に配列して組織・器官を形成する。この時の細胞の形態変化や移動を駆動する細胞骨格としてアクトミオシンがよく知られていたが、脊椎動物の組織形成におけるアクトミオシンの動態およびその制御機構には不明な点が多かった。今回、脊椎動物モデルであるアフリカツメガエル胚を用い、組織を細長くする細胞集団運動である収斂伸長運動(Convergent extension: CE)で、アクトミオシンが隣接細胞間で交互にオシレーションすることを見出した。数理モデルによるシミュレーションを行ったところ、隣接細胞間でオシレーションのタイミングが異なること、オシレーション頻度が適切に制御されることがCEを効率よく起こすために重要であることがわかった。そこで、アクトミオシンのオシレーション頻度の制御機構を探索したところ、非古典的Wnt経路である平面内細胞極性(Planar cell polarity: PCP)経路を構成する蛋白質Prickle2が必要であることもわかった。これらの結果は、これまでアクトミオシンの細胞内局在に代表される空間的な制御機構に着目されてきた組織形態形成において、オシレーション頻度といった時間的な制御も重要であることを示している。


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