論文紹介

第33回論文紹介(2019.6更新)

グループ名
細胞制御学グループ
著者

進藤 麻子、Anastasia Audrey、高岸 麻紀、高橋 雅英、John Wallingford、木下 専

タイトル(英)
Septin-dependent remodeling of cortical microtubule drives cell reshaping during epithelial wound healing
タイトル(日)
セプチンは微小管の再配向を介して細胞伸長を制御し胚表皮の創傷を修復する
発表された専門誌
Journal of Cell Science 131 (12) pii: jcs212647 (2018)

胚組織の創傷修復は成体と比較して迅速に完了し、瘢痕が残らないことが知られている。迅速な創傷修復は、受傷後数分で創傷辺縁に蓄積する細胞骨格アクトミオシンが急速に創傷を収縮させることによると考えられている。一方、微小管やセプチンなどのアクトミオシン以外の細胞骨格の機能については多くが不明のままであった。今回、アフリカツメガエル胚を用いて細胞レベルのライブイメージングを行い、胚表皮の創傷修復過程を解析したところ、細胞骨格セプチンが創傷周辺の細胞を伸長させ、創傷を迅速に閉鎖するために必要であることを発見した。創傷周囲の細胞は受傷後約3分から創傷辺縁に対し垂直に伸長し始めるが、それに伴い微小管は創傷辺縁に対して垂直に配向する。この微小管の再配向にはセプチン(septin 7: Sept7)が必要であり、Sept7のノックダウンおよび微小管の脱重合剤を投与すると創傷周辺の細胞の伸長が阻害されることがわかった。さらに、微小管脱重合剤はSept7ノックダウンの効果を強めることがわかり、Sept7と微小管は協働して創傷を修復することが示された。また、Sept7は創傷辺縁へのアクトミオシンの蓄積には関与しないが、その収縮力の発生には必要であることもわかった。これらの結果はセプチンに依存する微小管の再配向が細胞の伸長に必要であり、さらにセプチンが創傷辺縁のアクトミオシンの収縮力をより効果的に発揮させることで迅速な創傷修復に貢献していることを示している。


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