論文紹介

第34回論文紹介(2019.10更新)

グループ名
生体機序論グループ
著者

清水 達太、加藤 優佳、酒井 芳樹、久本 直毅、松本 邦弘

タイトル(英)
N-glycosylation of the Discoidin Domain Receptor Is Required for Axon Regeneration in Caenorhabditis elegans.
タイトル(日)
線虫C.エレガンスにおいてディスコイディンドメイン受容体のN型糖鎖修飾が神経軸索再生に必要である
発表された専門誌
Genetics, in press (2019).

神経損傷後に誘導される神経軸索の再生現象は、神経を修復して運動能力や感覚を回復するために重要であるが、その詳細なメカニズムについては不明の部分が多い。神経軸索再生機構は種を超えて保存されており、線虫C.エレガンスでは、ディスコイディンドメインを持つ受容体チロシンキナーゼDDR-2が、Met様受容体チロシンキナーゼSVH-2によるJNK MAPキナーゼ経路の活性化を調節することで神経軸索再生を制御することが知られている。本研究では、ゴルジ体での糖鎖修飾に関わるsvh-10/sqv-3svh-11の2つの遺伝子が、JNK MAPキナーゼ経路の上流で機能することにより、神経軸索再生に関与することを新たに見出した。遺伝学的解析から、SVH-11はDDR-2とSVH-2の間で機能していることが示唆された。そこでDDR-2の糖鎖修飾について生化学的に調べたところ、141番目のアスパラギンがN型糖鎖修飾を受けていることが判明した。また、このアスパラギンをアラニンに置換した変異型ddr-2遺伝子では、ddr-2変異体の神経軸索再生低下の表現型をレスキューできなかった。以上の結果より、DDR-2のN型糖鎖修飾が神経軸索再生に重要であることが明らかになった。

図: 糖鎖修飾による神経軸索再生制御機構


pagetop