論文紹介

第34回論文紹介(2019.10更新)

グループ名
生体機序論グループ
著者

花房 洋、八木 拓也、池田 明加、久本 直毅、西岡 朋生、貝淵 弘三、白壁 恭子、松本 邦弘

タイトル(英)
LRRK1 phosphorylation of Rab7 at S72 links trafficking of EGFR-containing endosomes to its effector RILP
タイトル(日)
LRRK1はRab7セリン72をリン酸化し、エフェクター分子RILPを介したEGFR含有エンドソームの輸送を制御する
発表された専門誌
Journal of Cell Science 132 (11) pii: jcs228809 (2019)

上皮成長因子受容体(EGFR)はEGF刺激により活性化すると、速やかに細胞内に取り込まれ、エンドソームを経てリソソームに送られ分解される。このようなEGFR細胞内トラフィックは、EGFRシグナルの時空間的制御に重要である。エンドソームは微小管上を、プラス端およびマイナス端方向へと双方向性に輸送されることが知られている。一方EGFRを含むエンドソームは、Dyneinモーター蛋白質によって、リソソームの存在する微小管マイナス端方向へと運ばれていく。しかしEGFR含有エンドソームが、どのように一方向性に輸送されるのかについては不明であった。今回我々はROCOファミリーキナーゼLRRK1が、低分子量G蛋白質Rab7をリン酸化することで、EGFR含有エンドソームの輸送を制御していることを明らかにした。EGFRと複合体を形成したLRRK1は、エンドソーム上でRab7のセリン72をリン酸化し、Rab7とそのエフェクター分子RILPとの結合を促進する。RILPはDynein /Dynactinと複合体を形成し、微小管マイナス端方向への輸送に重要な働きをしている分子である。このためLRRK1によるRab7のリン酸化は、EGFR含有エンドソームのDynein依存的な輸送を促進することが明らかとなった。本研究から、積み荷(Cargo)依存的なエンドソーム輸送制御機構の一端が明らかとなった。

図: LRRK1によるRab7リン酸化を介したEGFR含有エンドソームの輸送制御


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