論文紹介

第35回論文紹介(2020.7更新)

グループ名
脳回路構造学グループ
著者

金賢洙、堀米美帆子、石川由希、Feng Li、J. Scott Lauritzen、Gwyneth Card、Davi D. Bock、上川内あづさ

タイトル(英)
Wiring patterns from auditory sensory neurons to the escape and song-relay pathways in fruit flies.
タイトル(日)
聴感覚ニューロンから逃避・歌の情報処理経路への神経接続様式
発表された専門誌
J Comp. Neurol., Article DOI: 10.1002/cne.24877 (2020)

ヒトを含めた多くの動物が、コミュニケーション手段として音を利用します。そのような音交信を成立させるためには、「空気の振動パターンの時間的な変動」という感覚情報を特定の意味に変換する、という神経機構が必要です。しかし、このような「種に固有の音認識」といった高度な聴覚情報処理が、どのような特性を持つ神経細胞の組み合わせで達成されるのか、その神経回路機構は不明です。私たちは、ショウジョウバエの聴覚系を実験モデルとして研究を進めることで、この機構の解明を目指しています。

 今回の研究では、共同研究者が作成した走査型電子顕微鏡を用いたショウジョウバエの脳データを活用し、ショウジョウバエの聴覚神経回路の配線図を、シナプスレベルの解像度で解明しました。今後、この配線図を基盤として研究を続けることで、聴覚情報処理機構の理解につながると期待できます。この論文は、学部4年生が二人、それぞれ単身でアメリカのジャネリア研究所に滞在して実施した、国際共同研究の成果です。

図:聴感覚神経細胞群から2種類のニューロンへのシナプス接続

タイプA, Bの聴感覚神経細胞群(JO-A, JO-B)と、AMMC-B1ニューロン(B1)、Giant fiber(GF)ニューロンとのシナプス接続を定量同定した。Kim et al., 2020より改変。


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