論文紹介

第35回論文紹介(2020.7更新)

グループ名
細胞生理学研究グループ
著者

Burendei, B., Shinozaki, R., Watanabe, M., Terada, T., Tani, K., Fujiyoshi, Y. and Oshima, A.

タイトル(英)
Cryo-EM structures of undocked innexin-6 hemichannels in phospholipids
タイトル(日)
リン脂質に埋まったinnexin-6ヘミチャネルのクライオ電子顕微鏡構造
発表された専門誌
Science Advances, 6, eaax3157

ギャップ結合チャネルは、隣接細胞間において細胞質同士を直接連絡するコミュニケーションチャネルとして機能するが、このチャネルの開閉機構を説明する一般的な構造モデルは存在しない。

本研究では、クライオ電子顕微鏡の単粒子解析法により、線虫に存在するギャップ結合タンパク質イネキシン6(INX-6)の、ギャップ結合が外れたヘミチャネル状態の3つの構造を高分解能で明らかにした。ナノディスクに再構成した野生型のINX-6ヘミチャネルは、チャネル通路の中で二重層の密度が通路を閉塞し、N末端が細胞質側に寄った構造が確認された(図1)。可溶化状態の野生型INX-6ヘミチャネルの構造においては、N末端ヘリックスがファネルを形成してチャネルの通路が広く開いている構造を取っていた。N末端領域を欠失したINX-6ヘミチャネルをナノディスクに再構成した構造は、二層の密度がチャネル通路を塞いでいたが、野生型のN末端に相当する密度は確認されなかった。これらの結果からINX-6ヘミチャネルでは、脂質がチャネル通路に入り込んでN末端ヘリックスと連動し、チャネルを閉じている可能性が示唆された(図2)。

図1:INX-6ヘミチャネルのクライオ電子顕微鏡構造

(a) 野生型/ナノディスク。(b) 野生型/可溶化状態。(c) N末欠失変異体/ナノディスク。それぞれtop view(左)とside view(右)。

図2:INX-6ヘミチャネルの構造モデル

(a) 脂質分子がポアに入り込んで通路を塞ぐと同時に、N末端が細胞質寄りに配置する。(b)可溶化状態ではN末ヘリックスが通路内でファネルを作ってオープン構造を取る。


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