論文紹介

第35回論文紹介(2020.7更新)

グループ名
発生・メカノ・セルバイオロジーグループ
著者

Luo Lilan(羅 麗蘭), 安藤 沙友理、坂本 勇貴、鈴木 崇紀、高橋 広夫、石橋 奈々子、小島 晶子、栗原 大輔、東山 哲也、山本 興太朗、松永 幸大、町田 千代子、笹部 美知子、町田 泰則

タイトル(英)
The formation of perinucleolar bodies is important for normal leaf development and requires the zinc-finger DNA-binding motif in Arabidopsis ASYMMETRIC LEAVES2
タイトル(日)
シロイヌナズナの ASYMMETRIC LEAVES2 のジンクフィンガー DNA 結合モチーフは核小体周辺領域における顆粒形成に重要であり、その顆粒形成は正常な葉形成にとって必要である
発表された専門誌
The Plant Journal, 101, 1118–1134, 2020年, DOI: 10.1111/tpj.14579、Cover

私達は、シロイヌナズナのASYMMETRIC LEAVES2(AS2)遺伝子を基軸として葉の向―背軸(表・裏)分化の分子機構を研究している。AS2は植物固有の核蛋白質であり、植物特有の発生機構の存在が予測される。私達はこれまでに次のような報告をした。(1) AS2は表側化因子であり、葉の裏側化因子であるARF3遺伝子のコード領域に直接結合し、予定表側領域でその転写を抑制し、表側分化を促進し、扁平で左右相称的な葉の形成を誘導する(図1)。(2) ARF3遺伝子への結合には、ジンクフィンガーを含むAS2/LOBドメインが必須である。(3) ARF3 DNAのCpGのメチル化維持に関わる。(4) 間期の細胞では、核小体周縁部にAS2 bodyと名付けた顆粒を形成する(図1)。(5) ARF3を完全に抑制するためには核小体局在因子など(modifiers)との協調的な作用が重要である。しかし以上の知見を含む統一的な協調的発現抑制のモデルは得られていない。本論文では次ぎのような実験結果を報告し、AS2 bodyと核小体が協調的なARF3発現抑制の場である可能性を議論した。

1. AS2 body形成には、AS2/LOBドメインが必要である。

2. 間期の細胞では、AS2 bodyは核小体周縁部にある2個のクロモセンター(45SリボソームDNAリピートを含むクロマチンの塊)と部分的に重なる(図2)。

3. M期の細胞では、AS2 bodyは染色体とともに挙動し娘細胞に分配される。

4. 核小体にある複数の蛋白質が、AS2 bodyの構造に影響する。

図1:

図2:


pagetop