論文紹介

第35回論文紹介(2020.7更新)

グループ名
超分子構造学グループ
著者

Oda, T.; Takeda, S.; Narita, A.; Maeda, Y.

タイトル(英)
Structural polymorphism of actin.
タイトル(日)
アクチン分子の構造多型
発表された専門誌
Journal of molecular biology 2019, 431, 3217-3228.

アクチンは、二重ストランドの線維を形成し、真核生物の中で、細胞を動かし、細胞の形を作り、細胞を分裂させる。細胞同士の連結、物質の取込、排出など非常に多くの現象で重要な役割を果たしている。アクチンは、線維構造(F-form), 単量体構造(G-form), コフィリン結合構造(C-form)、プロフィリン結合構造(O-form)の4つの構造をとる。本研究では、分子動力学計算を用いて、分子のどこが動きやすくて、どこが動かないかを決定した。アクチンには構造が変化しない2つの大きな領域(図1:赤と青の領域)が存在した。これを元にアクチン分子の構造をこの2つの領域の相対角度である2つの軸で表現できることを見いだし、それぞれの構造をプロットした(図2:青: F-form, 赤: C-form, 緑: O-form, 黒: G-form)。さらに、この構造空間の中でのエネルギー地形を明らかにし、G-formとO-formは互いに行き来できる構造で実質上同じ状態であること。C-formはコフィリンが結合していないと極めて不安定であること。F-formは準安定状態であるが、時間が経つと確率的にG-formに変化すること、分子単体の状態では、G-formからF-formやC-formに変化することは無いことなど、多くのことが理解された。

図1:

図2:


pagetop