論文紹介

第36回論文紹介(2020.11更新)

グループ名
分子修飾制御学グループ
著者

西村 浩平、山田 遼太郎、萩原 伸也、岩崎 理恵、打田 直行、高橋 宏二、嘉村 巧、鳥居 啓子、深川 竜郎

タイトル(英)
A super-sensitivev auxin-inducible degron system with an engineered auxin-TIR1 pair
タイトル(日)
人工合成オーキシンとTIR1のペアを用いた高感度オーキシンデグロン法
発表された専門誌
Nucleic Acids Research, Methods online, gkaa748, 2020年

生物を構成する細胞の中では様々なタンパク質が機能することにより、生命現象が維持されています。細胞の中の特定のタンパク質の役割を解析するためには、そのタンパク質を細胞内から除去してしまい、細胞に現れる表現型を解析する方法が一般的です。標的とするタンパク質を細胞内から速やかに分解・除去するシステムとして植物ホルモン・オーキシンを用いたオーキシンデグロン法が存在しており、世界中で様々なタンパク質の機能解析に用いられています。今回、研究グループは人工的に改変したオーキシン分子とその受容体のペアを用いることで、従来のオーキシンデグロン法よりも1000倍も高感受性なオーキシンデグロン法(Super-sensitive AID system)を開発することに成功しました。この方法では標的タンパク質の分解に必要なオーキシンの量を従来の1000分の1にまで減少させることができるため、オーキシン自身の細胞毒性を低く抑えることができます。この方法はマウスやヒトの様々な細胞で機能することがわかっており、今後、これらの細胞でタンパク質の速やか、かつ低毒性な分解系として様々なタンパク質の機能解析や創薬での利用が期待されます。

図:人工オーキシンと受容体を利用したオーキシンデグロン法


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