論文紹介

第36回論文紹介(2020.11更新)

グループ名
分子修飾制御学グループ
著者

小原 圭介、小谷 哲也、中戸川 仁、木原 章雄、嘉村 巧

タイトル(英)
N-glycosylation of Rim21 at an unconventional site fine-tunes its behavior in the plasma membrane
タイトル(日)
Rim21の非典型的な箇所におけるN型糖鎖修飾はRim21の細胞膜内での挙動を調節する
発表された専門誌
Cell Structure and Function・45 (1)・1-8・2020

細胞膜の脂質二重層では内層と外層で脂質組成や役割が大きく異なっており、その様な現象は脂質非対称と呼ばれる。脂質非対称性を適切に形成・調節することは生命の維持に不可欠であり、これが破綻すると細胞一つとして生存出来ない。私達は、脂質非対称の状態が乱れた際に活性化して適応反応を引き起こす脂質非対称センサータンパク質Rim21を過去に同定した。本研究では、Rim21の生化学的な特徴付けを行った。その結果、Rim21が典型的な糖鎖修飾モチーフとは異なる部位でN型糖鎖修飾を受けることを見出した。さらに、この非典型的な糖鎖付加はRim21の細胞膜内微小領域への局在を調節しており、その結果としてRim21の正常なターンオーバーを制御していることを強く示唆した。近年、細胞膜では局所的に異なる脂質環境を持つ多数の微小領域が離合集散を繰り返しており、そのダイナミックな動的性質によって様々な細胞機能が担われていることが知られてきている。また、細胞膜タンパク質の糖鎖修飾同士の相互作用によって、細胞膜タンパク質同士の結合や微小領域の形成が調節されることも示唆されている。本研究は、非典型的な糖鎖修飾によるRim21の微小領域への局在調節という新たな知見を与えるだけではなく、糖鎖修飾を介した微小領域形成機構の解明に向けた良いモデルケースと成り得る。本研究は東京工業大学、北海道大学との共同研究として実施された。


図:Rim21の非典型的な部位での糖鎖修飾はRim21の細胞膜内微小領域への局在を調節する


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