論文紹介

第36回論文紹介(2020.11更新)

グループ名
生体膜機能グループ
著者

Zhuang XY, Guo S, Li Z, Zhao Z, 小嶋 誠司, 本間 道夫, Wang P, Lo CJ, Bai F.

タイトル(英)
Live-cell fluorescence imaging reveals dynamic production and loss of bacterial flagella
タイトル(日)
動的な細菌べん毛生成と欠失をライブセル蛍光イメージングにより明らかにする
発表された専門誌
Mol Microbiol 114:279–291 (2020)

バクテリアべん毛は、環境の変化に応じてバクテリアの運動と方向転換を担うナノマシンです。べん毛が恒久的な細胞構造であるかどうか、細菌のライフサイクル中にべん毛生成と欠失が起こるのかはわかっていません。本研究では、Vibrio alginolyticusの単一極性べん毛について、in vivo蛍光イメージングを行うことで、べん毛をもつ細菌の割合が成長段階によって大幅に異なることを明らかにした(図1)。初期の対数増殖期では、PFBはべん毛形成菌体の割合がの急速に増加し、中期対数期では、その割合は約80%でピークに達し、娘細胞へのべん毛の分配は1:1であり、分裂した古い極に分配される。定常期に入った後、主に娘細胞が細胞分裂後に新しいべん毛を作るのをやめるため、べん毛を持った菌体の割合は低下する。興味深いことに、細菌は長時間の定常期での培養中にべん毛を積極的に放棄することが観察された。さらに、その放出がべん毛がロッドの破損により起こることが確認された。これらの結果は、細菌のライフサイクル中のべん毛の動的生成と欠失が起こっていることを示している(図2)。

図1:さまざまな成長段階におけるべん毛をもつ細菌の割合

(a)親油性蛍光色素FM4-64によるV.alginolyticusの極性べん毛の蛍光標識の概略図およびPFBの測定方法。(b)べん毛をもつ細菌とインキュベーション時間の間の動的な関係が測定された。べん毛は細胞の永続的な構造ではありません。 3回の独立した実験で各実験において、少なくとも150個の菌体について測定した。PFB=べん毛をもつ細菌の割合。

図2:べん欠失機構のモデル

べん毛基部体は、MSリング形成された後、回転力の発生を担うCリングが集合する。次に、Cリングの内部に存在するべん毛特異的輸送装置によってロッド、フック、繊維の順に構造が形成される。ロッドとMSリングが切り離されると、Cリングタンパク質に融合したGFPの動きが観察できるようになる。定常期には、べん毛がロッド部分で抜けることで、リリースが起こる。その際、LPリングは、おそらくペリプラズムから密封されるように穴に栓がされると推測される。


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