グループ紹介 Development and Neurobiology of C. elegans
-IR-LEGO:レーザを利用して生体内の単一細胞で遺伝子発現操作
-文献
セマフォリンシグナル経路の研究
私達はセマフォリンという蛋白質を手がかりにして、動物の形作りのなぞに迫りたいと考えています。 セマフォリンは、最初、脊椎動物の脳が形作られる際に神経細胞から伸び出した線維の行き先を決める分子(ガイダンス分子)として同定されました。 その後、この分子の仲間が広く動物界に存在して大きな分子ファミリーを形成しており、さまざまな組織で形作りのシグナルを伝えることがわかってきました。 また、脊椎動物のガンの転移抑制や免疫系の活性化などにも関与することから、最近では医学的な面からも興味を持たれています。 私達はセマフォリンの受容体として知られるニューロピリン、プレキシンを世界で最初に発見・クローニングしたという経緯から、これまで一貫してセマフォリンの研究を続けています。
私たちのグループは線虫C. elegansを材料に用いています。C. elegansは特に遺伝学・分子生物学の研究材料としてすぐれており、スピーディーな実験が可能です。発生や老化など生物に共通する基本的現象を研究するために、世界中で用いられています。 特にゲノムプロジェクト、細胞死、RNAi、GPFの応用などの分野でC.
elegansの研究が先導的役割を果したことが評価され、これまでに3度ノーベル賞の対象となっています。 生物学研究のモデル生物としては大腸菌や酵母も有名ですが、これらの生物にはセマフォリンは存在しません。 私達は、セマフォリンシグナル系の基本的な性質を効率良く研究するためには、現在C. elegansが最も有利な実験材料だと考えています。
私たちはセマフォリン受容体であるプレキシン遺伝子のC. elegans変異体を作製し、表皮細胞の形が異常になることを見つけました。 そこで、この表皮の異常という表現型を手がかりにしてセマフォリンが細胞内でどのようなシグナルを伝えているのか、そのシグナル伝達経路を調べることにしました。
もし、セマフォリンシグナルと拮抗的に働いたりセマフォリンシグナルを抑制する経路・因子が存在すれば、これらの抑制性経路・因子の変異によってプレキシン遺伝子変異体の異常が改善(suppress)される可能性があります。 私たちは、このような変異(サプレッサー変異)の検索を行っています。 これまでにサプレッサー変異の原因となる遺伝子を突き止めることで、セマフォリンシグナルがmRNA翻訳制御に関わるということがわかってきました。 細胞形態調節とmRNA翻訳制御というこれまで無関係と思われていた現象につながりがあることがわかり、私達も大変驚きました(Nukazuka et al., 2008)。
面白いことに、最近、脊椎動物でもセマフォリンなどのガイダンス分子がmRNA翻訳制御を介して神経軸索先端成長円錐の挙動に影響を及ぼすことが報告されています。 いろいろな細胞の形態変化において、mRNA翻訳制御は重要な役割を果たしているのかもしれません。
図:線虫C. elegan Semaphorin シグナルは表皮細胞の形態・配置を調節し、Plexin遺伝子(plx-1)の欠損は感覚器ray1の位置異常を引き起こすことが知られている。 このray1表現型の抑圧変異検索を糸口にして、Semaphorin / Plexin変異体では翻訳開始因子eIF2aのリン酸化が上昇し、逆にセマフォリンシグナル活性化はeIF2aリン酸化を低下させ蛋白質合成を亢進することが、生体内で証明された。 さらに、Semaphorin /
Plexin変異体でのRay 1位置異常の元となる表皮細胞の形態異常は蛋白質合成低下に起因することが明らかになった。 また、セマフォリンは細胞骨格系の調節因子コフィリンの合成を選択的に促進し、この選択性にはコフィリンmRNA中の3’UTRが重要であることが明らかになった。 これらの結果は、セマフォリンシグナルにより細胞骨格系調節因子が局所的に合成され、その結果、細胞骨格の改変が促進されて細胞形態が変化するという、新規な細胞形態調節機構を示唆している。
さらに、別のサプレッサー変異rict-1の研究から、翻訳制御をはじめとする様々な細胞代謝の鍵を握るといわれるmTOR経路とセマフォリンシグナルが密接に関係していることがわかりました。 リン酸化酵素であるmTORは、TORC1とTORC2という機能の異なる2種類の複合体を形成します。 私たちはセマフォリンシグナルにはTORC1を増加させると同時にTORC2を減少させる働きがあることを発見しました。 TORC1量の増加はmRNA翻訳の活性化を引き起こし、一方、TORC2量の減少によりPKCa活性が抑制されアクチン細胞骨格が変化します(Nukazuka et al., 2011)。 セマフォリンシグナルがmTOR経路を介して細胞形態変化を引き起こすことがわかったことで、セマフォリンシグナルが引き起こす多様な細胞特性の変化を統一的に捉える目処がついてきました。 なお、mTOR経路は現在大変アクティブに研究が進められている経路で、この経路の解明にもプレキシン遺伝子変異体サプレッサー変異検索が役立つと期待しています。
図: セマフォリンシグナルは細胞内でTORC1増加とTORC2の減少を引き起こす。 これに伴い、TORC1下流でeIF2aのリン酸化レベル上昇によるeIF2系の活性化と、おそらく4EBPのリン酸化を介したeIF4Fの活性化とにより、mRNA翻訳の活性化が引き起こされる。また、TORC2の下流ではPKCaのリン酸化レベルが減少することによりアクチン重合が抑制されると考えられる。
最近、さらに別のサプレッサー変異の研究から、セマフォリンシグナルによる細胞形態制御にはendocytosis.
膜動態の制御が関与することもわかってきました。 まだ詳細は不明ですが、endocytosisは接着因子のような膜蛋白質の動態や細胞膜の面積を調節することで細胞形態変化に関わっているのかもしれません。 さて、細胞形態調節というと細胞骨格の再構成が頭に浮かびますがそれだけでなくmRNA翻訳や膜動態といった意外なイベントも重要な役割を果たしていることが、 私たちの研究から浮かび上がってきました。 おそらく細胞形態変化には細胞のきわめて多面的な特性の変化が必要であり、上記以外の細胞機能も関与するのでしょう。 私たちは、セマフォリンシグナルの研究をさらに進めることで、このような生体内での細胞形態変化の実態を明らかにしたいと願っています。
新しい技術の開発
IR-LEGO:レーザを利用して生体内の単一細胞で遺伝子発現操作
形質転換個体中での遺伝子発現操作は生命科学研究で欠かせない技術になっています。 しかし、通常の遺伝子組織特異的プロモーターでは、必ずしも実験者の目的の細胞に目的の時期に遺伝子を発現させることはできません。 表皮細胞の研究を進める過程で、私たちも、“どうやって均一な細胞集団中の一部の狙った細胞だけで目的の遺伝子を発現させればよいのか”という問題に悩まされました。 そして、赤外レーザを利用した遺伝子発現操作用顕微鏡(IR-LEGO: InfraRed Laser Evoked-Gene
Operator)を開発中だった弓場 俊輔 博士(産総研)と共同研究を行い、C.
elegansの単一標的細胞での遺伝子発現系を立ち上げました (Kamei et al., 2009)。
ほとんど全ての生物は、熱ストレスに対して熱ショック蛋白質を発現して細胞を熱障害から守ります。 そこで、熱ショック蛋白質のプロモーターに解析したい遺伝子Xを繋いだトランスジーン(形質転換体中の外来遺伝子)を作っておけば、細胞を加熱することで目的の遺伝子Xを発現させることができます。 このような、トランスジーンを持つ個体を使って顕微鏡下で狙った細胞にレーザ照射をして、その細胞でだけ遺伝子発現を誘導するというのがIR-LEGOの原理です。
IR-LEGOは、“いつでも、どこでも簡単に遺伝子発現を誘導する”ことを可能とする素晴らしい技術です。 今後、C. elegans以外のさまざまな生物種への応用が期待されます。
図: IR-LEGO顕微鏡(左)とGFPを発現させた線虫の神経細胞(右)
図:IR-LEGOを用いた生体内細胞操作の例。 C. elegans幼虫の遠位端細胞(DTC)と呼ばれる細胞は体の中を移動しながら生殖器官を作り上げる。DTCの移動方向は別の細胞で発現する細胞誘導に関わる遺伝子(unc-6)によって制御されており、unc-6が無い線虫の変異体ではDTCの移動もおかしくなり、正常な生殖器官が形成されない。 そこで、変異体の中で、本来unc-6を発現するはずの細胞に赤外線を照射してunc-6を発現させると、DTCは高い確率で正しい方向に移動できるようになり正常な生殖器官を形成した。 IR-LEGO顕微鏡を用いることでunc-6によるDTCの誘導機能をより詳細に調べることができる。
神経回路解析はIR-LEGOの応用が最も期待される分野のひとつです。 個体の中で狙った単一神経細胞の活性を自在に調節できれば、回路を構成する個々の神経細胞の回路中での役割解明に大いに役立つでしょう。 私達は現在IR-LEGOをOptogenetics と組み合わせることに特に興味を持っています。Optogenetics(光遺伝学)とは古細菌や原生生物が持つ光作動性のチャネル・ポンプを利用して、神経細胞などの興奮性細胞の活動を光によって操作する技術で、近年、急成長しています。 これまでのOptogenetics研究では、遺伝子発現のために神経細胞のサブタイプ特異的なプロモーターが利用されてきました。 しかし、既存のほとんどのプロモーターは複数個の細胞で遺伝子を発現させてしまうため、狙った単一細胞での遺伝子発現には利用できません。 IR-LEGOはこの問題を解決するのに打って付けの技術であり、現在、C. elegansの全ての神経細胞を標的として単一細胞で安定して遺伝子発現を引き起こすことのできる条件を検討中です。
また、Optogeneticsの初期には青色光で開くカチオンチャネルであるチャネルロドプシン(Chop2)や赤色光で活性化しCl-イオンを細胞内に組み入れるポンプであるハロロドプシン(NpHR)が使われていましたが、近年、脊椎動物では変異型Chop2やArchやMacといった新しいタンパク質も利用されるようになってきました。 私達はC.elegansの神経細胞の活動をArchによって効率よく抑制できることを示しました。
また、私たちは現在、メダカのトランスポゾンTol1をC. elegansで転位させる実験系を開発中です
(古賀 章彦 博士: 京都大学 との共同研究 Kodama et al., 2008))。 C. elegansで現在、一般的に用いられている形質転換法では単一コピーの外来遺伝子を効率良く簡単に染色体に組み込むことが難しく、さまざまな実験の障壁となっています。 Tol1を効率よく生殖細胞で転位させることができれば、形質転換が容易になるだけでなく、C. elegansでこれまでできなかったエンハンサートラップやジーントラップといった実験も可能になります。
新しい技術は科学研究の進歩をもたらす原動力の一つです。 私たちは、このような技術開発を通じてC.
elegansを用いた実験の可能性をさらに広げて生きたいと考えています。
私達の研究をもっと詳しく知りたいと思った方、私達と一緒に研究してみたいと思った方は、どうぞ気軽に連絡してください。
文献 / publications
原著論文(2000〜)
Motoshi Suzuki, Naoya
Toyoda N & Shin Takagi
PLoS ONE (2014) 9(1): e85783.
doi:10.1371/journal.pone.0085783
Optical
silencing of C. elegans cells with
Arch proton pump
Ayako Okazaki, Yuki Sudo, Shin Takagi
PLoS ONE (2012) 7(5):e35370.
doi: 10.1371/journal.pone.0035370.
A shift
of the TOR Adaptor from Rictor towards Raptor by Semaphorin in C. elegans
Akira Nukazuka, Shusaku Tamaki, Kunihiro
Matsumoto, Yoichi Oda, Hajime Fujisawa, & Shin
Takagi
Nature Communications 2:484 doi: 10.1038/ncomms1495 (2011).
[以下、この論文の解説記事:
線虫(C.elegans)において、セマフォリンによってTORの結合相手はRictorからRaptorに切り替わる
Semaphorins
contribute to cellular changes by regulating two TOR complexes]
Infrared
laser-mediated gene induction in targeted single cells in vivo.
Yasuhiro
Kamei, Motoshi Suzuki, Ken Watanabe, Kazuhiro Fujimori, Takashi Kawasaki,
Tomonori Deguchi, Yoshihiro Yoneda, Takeshi Todo, Shin Takagi, Takashi
Funatsu, & Shunsuke Yuba
Nature Methods. 6(1), 79-81 (2009).
[selected paper: Faculty of 1000, 25 Jan 2010]
Ken Kodama, Shin
Takagi & Akihiko Koga
Heredity. 101, 222-227 (2008)
Semaphorin controls
epidermal morphogenesis by stimulating mRNA translation via eIF2a in C.
elegans.
Akira
Nukazuka, Hajime Fujisawa, Toshifumi Inada, Yoichi Oda & Shin Takagi
Genes
& Development. 22, 1025-1036 (2008)
[以下、この論文の解説記事。
Semaphorin signaling in morphogenesis: found in translation. Chisholm A.D. Genes Dev. 2008 Apr 15;22(8):955-9
Thinking Globally, Acting Locally. Annalisa M. VanHook
(22 April 2008) Sci. Signal.
1
(16), ec146.
Fumi
Nakao, Martin L. Hudson, Motoshi Suzuki, Zachary Peckler, Rie Kurokawa, Zhicen
Liu, Keiko Gengyo-Ando, Akira Nukazuka, Takashi Fujii, Fumikazu Suto, Yukimasa
Shibata, Go Shioi, Hajime Fujisawa, Shohei Mitani, Andrew D. Chisholm &
Shin
Takagi
Genetics. 176,
1591-1607 (2007)
Zhicen Liu, Akira Nukazuka
& Shin Takagi
Development, Growth and Differentiation. 49, 49-59
(2007)
C.
elegans PlexinA PLX-1 mediates a cell contact-dependent stop signal in vulval
precursor cells.
Zhicen
Liu, Takashi Fujii, Akira Nukazuka, Rie Kurokawa, Motoshi Suzuki, Hajime
Fujisawa & Shin Takagi
Developmental Biology. 282, 138-51 (2005)
mau-2 acts cell-autonomously to guide axonal migrations in Caenorhabditis
elegans.
Claire
Y. Bénard, Hania Kébir, Shin Takagi & Siegfried Hekimi
Development. 131,
5947-58 (2004)
Takashi
Fujii, Fumi Nakao, Yukimasa Shibata, Go Shioi, Eiji
Kodama, Hajime Fujisawa & Shin Takagi
Development. 129, 2053-2063 (2002)
A splicing factor,
Prp8: preferential localization in the testis and ovary in adult mice.
Asahiko Takahashi, Hisako Muramatsu H, Shin
Takagi, Hajime Fujisawa, Yozo Miyake & Takashi Muramatsu
Journal of Biochemistry. 129(4), 599-606
(2001)
Mutations
affecting nerve attachment of Caenorhabditis elegans.
Go
Shioi, Michinari Shoji, Masashi Nakamura, Takeshi Ishihara, Isao Katsura,
Hajime Fujisawa & Shin Takagi
Genetics. 157, 1611-1622 (2001)
Yukimasa Shibata, Takashi Fujii, Joseph
A. Dent, Hajime Fujisawa & Shin Takagi
Genetics. 154, 635-646 (2000)
原著論文(〜1999年)
Cellular
and axonal migrations are misguided along both body axes in the maternal effect
mau-2 mutants of Caenorhabditis elegans.
Shin
Takagi,
Claire Benard, Julia Pak, David Livingstone & Siegfried Hekimi
Development, 124, 5115-5126
(1997)
Identification
of a neuronal cell surface molecule, Plexin, in mice.
Toshiki
Kameyama, Yasunori Murakami, Fumikazu Suto, Atsushi Kawakami,
Shin Takagi, Tatsumi Hirata & Hajime Fujisawa
Biochemical
and Biophysical Research Communications, 226, 524-529. (1996)
Identification
of Plexin family molecules in mice.
Toshiki
Kameyama, Yasunori Murakami, Fumikazu Suto, Atsushi Kawakami, Shin Takagi,
Tatsumi Hirata & Hajime Fujisawa
Biochemical
and Biophysical Research Communications, 226, 396-402. (1996)
Growth-associated
expression of a membrane protein, neuropilin, in Xenopus optic nerve fibers.
Hajime
Fujisawa, Shin Takagi & Tatsumi Hirata
Developmental
Neuroscience,
17, 343-349 (1995)
Developmentally
regulated expression of a cell surface protein, neuropilin, in the mouse
nervous system.
Atsushi
Kawakami, Takashi Kitsukawa, Shin Takagi, & Hajime Fujisawa
Journal
of Neurobiology
29, 1-17 (1995)
Plexin:
a novel neuronal cell surface molecule that mediates cell adhesion via a
homophilic binding mechanism in the presence of calcium ion.
Kunimasa
Ohta, Akihito Mizutani, Atushi Kawakami, Yasunori Murakami, Yasuyo Kasuya, Shin
Takagi, Hideaki Tanaka & Hajime Fujisawa
Neuron 14, 1189-1199 (1995)
Expression
of a cell adhesion molecule, neuropilin, in the developing chick nervous
system.
Shin
Takagi,
Yasuyo Kasuya, Masayuki Shimizu, Takatoh Matuura, Mari Tsuboi, Atsushi Kawakami
& Hajime Fujisawa
Developmental
Biology 170,
207-222 (1995)
Differential
expression of two cell surface proteins, neuropilin and plexin, in Xenopus
olfactory axon subclasses.
Masahiko
Satoda, Shin Takagi, Kunimasa Ohta, Tatsumi Hirata & Hajime
Fujisawa.
The
Journal of Neuroscience
15(1), 942-955 (1995)
The
membrane protein A5, a putative neuronal recognition molecule, promotes neurite
outgrowth.
Tatsumi
Hirata, Shin Takagi & Hajime Fujisawa
Neuroscience
Research 17,
159-169 (1993)
Involvement
of neuronal cell surface molecule B2 in the formation of retinal plexiform
layers.
Kunimasa
Ohta, Shin Takagi, Hiroaki Asou & Hajime Fujisawa
Neuron 9, 151-161, (1992)
The
A5-antigen, a candidate for the neuronal recognition molecule, has homologies
to complement components and coagulation factors.
Shin
Takagi,
Tatsumi Hirata, Kiyokazu Agata, Makoto Mochii, Goro Eguchi & Hajime
Fujisawa
Neuron 7, 295-307 (1991)
A
diurnal variation of vasoactive intestinal peptide(VIP) mRNA under a daily
light-dark cycle in the rat suprachiasmatic nucleus.
S.
Okamoto, H. Okamura, M. Miyake, Y. Takahashi, S. Takagi, Y. Akagi,
K.Fukui, H. Okamoto & Y. Ibata
Histochemistry 95, 525-528 (1991)
An
aberrant retinal pathway and visual centers in Xenopus tadpoles share a common
cell surface molecule, A5 antigen.
Hajime
Fujisawa, Tsukasa Ohtsuki, Shin Takagi & Toshiaki Tsuji
Developmental
Biology 135,
231-240 (1989)
Monoclonal
antibodies against species-specific antigens in the chick central nervous
system: Putative application as transplantation markers in the chick-quail
chimera.
Shin
Takagi,
Toshiaki Tsuji, Masae Kinutani & Hajime Fujisawa
Journal
of Histochemistry and Cytochemistry 37, 177-184 (1989)
The
prosencephalon has the capacity to differentiate into the optic tectum:
Analysis by chick-specific monoclonal antibodies in quail-chick chimeric
brains.
Harukazu
Nakamura, Shin Takagi, Toshiaki Tsuji, Kohji A. Matsui & Hajime
Fujisawa
Development,
Growth and Differentiation
30, 717-725 (1989)
Monoclonal
antibodies facilitate analysis of ocular development in mice.
Toshiaki
Tsuji, Shin Takagi & Hajime Fujisawa
Experimental
Eye Research
47, 555-564 (1988)
Specific
cell surface labels in the visual centers of Xenopus laevis tadpole identified
using monoclonal antibodies.
Shin
Takagi, Toshiaki
Tsuji, Takashi Amagai, Tetsuro Takamatsu & Hajime Fujisawa
Developmental
Biology 122,
90-100. (1987)
Spatial
and temporal expression pattern of N-cadherin cell adhesion molecules
correlated
with morphogenetic processes of chick embryos.
Kohei
Hatta, Shin Takagi, Hajime Fujisawa & Masatoshi Takeichi
Developmental
Biology 20,
215-227. (1987)
Plasticity
and rigidity of differentiation of brain vesicles studied in
quail-chick
chimeras.
Harukazu
Nakamura, Kensuke E. Nakano, Hiroharu H. Igawa, Shin Takagi & Hajime
Fujisawa
Cell
Differentiation
19, 187-193. (1986)
Stimulated
crystallin synthesis in embryonic brain cells in culture.
Shin
Takagi
Roux's
Archives of Developmental Biology 195, 15-21. (1986)
Expression
of toxin receptors on cell surfaces in transdifferentiating
cultures
of neural retina.
David
I. DePomerai, Shin Takagi, Hisato Kondoh & T.S. Okada
Development,
Growth and Differentiation
26, 111-119. (1984)
Transdifferentiation
of putative neuronal cells of neural retina into lens: A demonstration by
chick-quail chimeric cultures.
Hisato
Kondoh, Shin Takagi, Kazuya Nomura & T.S.Okada
Roux's
Archives of Developmental Biology 192, 256-261. (1983)
Lentoidogenesis
from neural retina cells is effected by interactive relationships between different
cell types.
Shin
Takagi,
Hisato Kondoh, Kazuya Nomura & T.S.Okada
Journal
of Embryology and Experimental Morphology 73, 97-109. (1983)
Can
once neuronally differentiated cells of neural retina be lentoidogenic in cell
culture?
Kunio
Yasuda, Shin Takagi, Kazuya Nomura, Hisato Kondoh & T.S. Okada
Development,
Growth and Differentiation
24, 223-231. (1982)
Expression
of neuronal specificities in "transdifferentiating" cultures of
neural retina.
Kazuya
Nomura, Shin Takagi & T. S. Okada
Differentiation
16, 114-127. (1980)
Comparison
of neural and lens phenotype expression in the transdifferentiating cultures of
neural retina with different culture media.
Kiyokazu
Agata, Hisato Kondoh, Shin Takagi, Kazuya Nomura & T. S. Okada
Development,
Growth and Differentiation
22, 571-577. (1980)
Development and Neurobiology of C.
elegans
Research Overview
As fertilized eggs develop
into many-celled animals or plants, the shape of living tissues, organs and entire
bodies undergo drastic changes. This complex process, called morphogenesis, has
fascinated biologists for long times. Morphogensis is a coordinated process
regulated by various signaling molecules. Semaphorins compose a major group of
morphogenetic signaling molecules conserved in animals. Using a simple model
animal C. elegans, we are trying to understand cellular and
molecular mechanisms underlying the Semaphorin-mediated morphogenesis. Our studies have revealed that
semaphorin signaling is tightly linked to mTOR signaling pathway. An unexpected
finding is that the cellular morphogenesis involves highly divergent cellular
events such as mRNA translation and membrane dynamics.
We
have also developed a novel method, IR-LEGO,
exploiting heat-shock response for manipulating gene expression at the single-cell
level in C. elegans. IR-LEGO will be
a powerful tool for analyzing development and the nervous system.
Projects
1) Semaphorin
signaling
Semaphorin
signaling system in C. elegans
The C. elegans genome contains 2 plexin (plx-1,
-2) and 3 semaphorin genes (smp-1, -2, mab-20). The presence of the
relatively small number of the genes makes C. elegans an attractive
system for analyzing plexins and semaphorins in vivo. Taking a reverse
genetic approach, we have generated plx-1and plx–2 mutations and
determined the specific interactions between the semaphorin and plexin
molecules (Fujii et
al., 2002; Nakao
et al., 2007). We have revealed that the semaphorin signaling systems in C.
elegans are primarily involved in epidermal morphogenesis, such as
formation of the ray, which is a sensory organ of epidermal origin. We also
showed that the SMP-1/PLX-1 signaling system regulates cell-contact-mediated
stop signal for extension of epidermal cells during the early stages of vulval
morphogenesis (Liu
et al., 2005).
Genetic
analysis of semaphorin signaling pathway
In order to elucidate the signaling pathways
downstream to plexin, we carried out a screen for suppressor mutations that
revert the ray1 displacement defects of plx-1mutants.
Identification of a mutation in the GCN1/gcn-1 gene, a known negative regulator
of mRNA translation in yeast, as a suppressor led us to reveal that semaphorin
signal regulates the epidermal morphogenesis by down regulating the
phosphorylation of eIF2alpha, thereby stimulating mRNA translation (Nukazuka et al., 2008).
We have also identified cofilin/ADF as a target of semaphorin-mediated mRNA
translation via its 3’UTR.
Recent identification of another suppressor as a
mutation in the rictor gene (rict-1)
encoding a TORC2 (TOR-Complex 2) component led us to reveal that semaphorin
signaling promotes a shift from TORC2 to TORC1, which in turn changes cellular
events downstream to mTOR drastically (Nukazuka
et al., 2011). An essential link between semaphorin signaling and mTOR
signaling, which plays pivotal roles in controlling diverse aspects of cellular
metabolisms, suggests that TORCs are the central mediators in the semaphorin
signal pathway, providing a hope for creating a unified view of this signaling
pathway.
We will further
exploit suppressor analysis to clarify underlying mechanisms with which
semaphorin controls the dynamics of TORCs. This approach would also help to identify
the upstream signals regulating TORC2, an unsolved issue in mTOR signaling.
2) Technology development
IR-LEGO
We have been also interested in the development
of research tools. The Infrared-laser-evoked
gene operation (IR-LEGO) system, is designed to induce the heat
shock response with high efficiency without causing cell damage, thereby
effectively driving expression of a transgene under the control of a heat shock
promoter. We have succeeded in applying
IR-LEGO to living C. elegans (in collaboration with Shunsuke Yuba at
AIST, Kamei
et al., 2009; Suzuki
et al 2014). This method, enabling us to induce expression of desired genes
in targeted cells, would serve as a useful tool for studying not only C.
elegans but also many other multicellular organisms in vivo.
Induction of GFP in a targeted single neuron by
using IR-LEGO
Neurobiology is one
of the research fields to which application of IR-LEGO would be particularly
beneficial. For functional analysis of neural circuits, manipulation of
targeted individual neurons would be extremely useful. We are now interested in
combining the IR-LEGO technique with optogenetics. Optogenetics, an emerging
technology using light-driven ion channels or ion pumps for controlling
excitable cells, have greatly facilitated the investigation of nervous systems in vivo. C. elegans, with its small transparent body and well-characterized
neural circuits, is especially suited for optogenetic analyses. Previous attempts to manipulate gene expression in single C.
elegans neurons, however, seem to have a limited success because
cell-specific promoters used in these studies usually drive gene expression in
multiple types of neurons. We are currently trying to express optogenetic tools in targeted
single neurons in C. elegans by
using IR-LEGO. In addition to this, we are testing novel optogenetic tools,
such as Arch, in C. elegans cells
(Okazaki et al., 2012).
Study/Research opportunities
Please also visit: Nagoya University
Global 30 International Program
Biological
and Bioagricultural Sciences Graduate Program