論文紹介

第10回論文紹介(2007.10更新)

グループ名
形態統御学 発生生物学
著者
杉山伸、森藤暁、古川義己、水野友彦、林永美、津田玲生、西田育巧
タイトル(英)
Involvement of the mitochondrial protein translocator component Tim50 in growth, cell proliferation and the modulation of respiration in Drosophila.
タイトル(日)
ショウジョウバエにおけるミトコンドリアタンパク質移送因子Tim50の成長、細胞増殖と呼吸の調節への関与
発表された専門誌
Genetics 176: 927-936, 2007.

ショウジョウバエの成長異常の突然変異体を分離し解析した。温和な変異体では、細胞のサイズと数の減少により正常よりも小さな個体を生じるが、完全機能欠損変異体では、孵化後、摂食するにもかかわらず全く成長できない。原因遺伝子をクローニングし、ミトコンドリア内膜に局在し、タンパク質の移送に関わる出芽酵母Tim50に相同であることがわかった。遺伝子を個体に導入し、強発現すると呼吸活性が高められる。また、強制発現により、アポトーシスが誘発され、それを抑制すると細胞増殖が盛んになる。このように、Tim50の作用により、呼吸活性が高まり、細胞の成長、増殖に関わることを明らかにした。

図1:

温和な突然変異体(B)では、正常(A)に比べて小さくなり、剛毛も短い。ホモ雌は卵を産むが初期胚で細胞分裂の異常により致死となる(D~F)。

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