第10回論文紹介(2007.10更新)
- グループ名
- 機能調節学 パターン形成学
- 著者
- 山口元臣、吉本英一、近藤滋
- タイトル(英)
- Dynamic nature of stripe rearrangement in zebrafish suggests that the reaction-diffusion mechanism underlies the pigment pattern formation.
- タイトル(日)
- ゼブラフィッシュ縞模様の動的な変化は、背後に反応拡散原理が働いていることを示す
- 発表された専門誌
- roc Natl Acad Sci U S A. 2007 Mar 20;104(12):4790-3
動物の縞模様はどのようにしてできるのか?我々の研究グループは、多くの人が興味を持つが、いまだに解決していない問題に挑戦しています。
今回、ゼブラフィッシュという縞模様のある魚を使い、レーザーで一部の模様を消去 したときにどのような変化を起こすかを調べました。その結果、2つの面白い現象が見つかりました。まず、広い範囲で模様を消してしまうと、数週間後に以前と同じ間 隔の縞模様が復活するのですが、方向がばらばらになります。(図1)つまり、皮膚は縞の間隔は決められても方向は決められない、ということになります。また、体側の中央部分の黒い縞のみを消去すると、一番腹側にある縞が、まるでヘビがくねるように屈曲しながら徐々に背側に移動していくのが観察されました。(図2)これらの変化は、縞模様が「反応拡散波」と呼ばれる化学反応の「波」であることを証明しています。
図1:
図2:

今後の予定