第14回論文紹介(2009.10更新)
- グループ名
- 分子修飾制御学
- 著者
- 劉 媛, 三村 覚、岸 努、嘉村 巧
- タイトル(英)
- A longevity protein, Lag2, interacts with SCF complex and regulates SCF function.
- タイトル(日)
- 寿命関連タンパク質Lag2はSCF複合体に結合しその機能を制御する
- 発表された専門誌
- The EMBO Journal, Advanced Online Publication, Sep 17, 2009
SCF型E3 ユビキチンリガーゼは細胞周期、シグナル伝達、転写など様々な生命現象に重要な役割を担っているが、いかにしてその機能が制御されているかはほとんど明らかになっていない。本研究において我々は、酵母two-hybrid法を用いて、出芽酵母SCF複合体の新たな結合因子として寿命関連タンパク質Lag2を同定した。Lag2は生理的条件化でSCF複合体に結合した。Lag2は細胞内および試験管内でSCF複合体のユビキチン化活性を抑制したがその分子機構としてE2のSCF複合体(E3)への結合阻害であることを示した。SCF複合体の構成因子であるCdc53はユビキチン様小分子Rub1修飾をうけることが知られているが、Lag2がCdc53へのRub1修飾を抑制することを明らかにした。さらにLag2単独欠失では酵母の増殖に影響しないが、Rub1あるいはDcn1(Cdc53へのRub1修飾促進因子)との2重欠失では、酵母の増殖を阻害することを示した。これらのことより、Lag2は、ユビキチン化活性およびRub1修飾を制御することによってSCF複合体の機能を調節していることを明らかにした。
図1:
A. Lag2は量依存的にSCFCdc4複合体によるSic1へのユビキチン修飾反応を阻害する。
B.Lag2は量依存的にCdc53に対するRub1修飾反応を阻害する。

今後の予定