論文紹介

第19回論文紹介(2012.6更新)

グループ名
構造生物学研究センター
著者
Narita, A
タイトル(英)
Minimum requirements for the actin-like treadmilling motor system.
タイトル(日)
アクチン様トレッドミリングモーターが満たすべき最小条件
発表された専門誌
BioArchitecture, 1, 205-208

アクチンは細胞骨格の中心的な蛋白質である。アクチン分子が重合したアクチンフィラメントは、一端(B端)で重合し、他端(P端)で脱重合することによって、結果としてB端側へ向かって動き続けるトレッドミリングという現象を起こす。そのため、アクチンはそれ自体モーターシステムであると見なすことができる。このシステムはたった一種類の蛋白質によって形成される、いままで知られている中で最も単純な分子モーターである。私たちは、コンピュータシミュレーションを用いて、このアクチン様トレッドミリングモーターが満たすべき最小条件を明らかにした。(1) ヌクレオチド結合し、そのヌクレオチドがフィラメント内で加水分解されること、(2) 1端の重合、脱重合速度が他端よりも遅いこと、(3)結合ヌクレオチドによってフィラメント内サブユニット間結合の強さが変化する(アクチンにおいてはADP状態が結合が弱く、ATP状態が強い)ことの三つである。これらの要件は非常にシンプルであり、この要件を満たす人工の分子モーターを作成することは十分可能であると考えている

図1:

図2:

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