論文紹介

第22回論文紹介(2014.1更新)

グループ名
細胞制御学グループ
著者
上田(石原)奈津実、宮田 卓樹、大島 智香、渡辺 雅彦、佐藤 良勝、 浜村 有希、東山 哲也、Ralph Mazitschek、尾藤 晴彦、木下 専
タイトル(英)
Septins promote dendrite and axon development by negatively regulating microtubule stability via HDAC6-mediated deacetylation
タイトル(日)
セプチンはHDAC6による脱アセチル化を介して微小管の安定性を負に制御することにより樹状突起と軸索の発達を促進する
発表された専門誌
Nature Communications 4 : 2532 doi: 10.1038/ncomms3532 (2013)

神経突起の成長には、チューブリンとセプチンという2つのGTP結合タンパク質の重合体が必要である。しかし、これらの細胞骨格系が協働しているのか、協働しているとすればどのようなメカニズムによるのかはわかっていない。本論文では、周産期マウスの大脳皮質ニューロンでセプチン重合体の必須サブユニットSEPT7をノックダウンあるいはノックアウトすると微小管が過剰にアセチル化され、大脳半球間および皮質脊髄路の軸索投射と樹状突起形成が阻害されることを示す。次に、初代培養ニューロンを用いたin vitro実験により、SEPT7の欠乏が過剰アセチル化を介して微小管の過剰安定化ないし成長遅延をもたらすことを示す。さらに、SEPT7欠乏の表現型とα-チューブリン脱アセチル化酵素HDAC6の薬理学的阻害の表現型の類似性や両者の物理的相互作用などから、HDAC6の酵素活性ではなく、アセチル化αチューブリンとの結合にSEPT7が必要であることを示す。以上およびその他の所見から、セプチンがHDAC6による微小管脱アセチル化の物理的足場として働くことで、微小管の安定化を神経突起成長に最適なレベルに抑制制御していることが示唆される。今回の知見により、ユビキタスに存在する2つの細胞骨格系が、神経発生過程においてはHDAC6を介して共役していることが明らかになった。

図1:

図2:

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