論文紹介

第22回論文紹介(2014.1更新)

グループ名
ERATO東山ライブホロニクスプロジェクト
著者
朴 鍾淏、栗原 大輔、東山 哲也、新田 英之
タイトル(英)
Fabrication of microcage arrays to fix plant ovules for long-term live imaging and observation
タイトル(日)
植物胚珠の安定的長時間観察を目的としたマイクロケージアレイの作製
発表された専門誌
Sensors and Actuators B: Chemical, 191, 178-185, 2014

被子植物では、将来植物体となる胚と、栄養を蓄える胚乳をもつ種子が作られる。胚発生過程は、受精卵という単細胞から高等生物の複雑な構造、機能を構築するうえで基本的で重要な過程である。胚発生や胚乳発生の機構解明のためには、安定した種子の長時間ライブイメージングが必要不可欠であり、その生長を阻害することなく長時間、安定的な培養を実現する技術の開発が望まれていた。
 本研究では、MEMS(マイクロマシニング)技術を用いて胚珠を配置、固定するための微小な「檻」がアレイ状になった、マイクロケージアレイを開発した。 素材としては、生体適合性があり、柔軟性をもつポリマーであるポリジメチルポリシロキサン(PDMS)を用いた。製作したマイクロケージアレイを用いて、胚珠の成長を阻害することなく長時間培養しながら安定的に固定、観察できることに成功した(図1)。
 このマイクロケージアレイを用いることにより、長時間にわたり、生長する胚珠の内部を生きたまま詳細に解析することが可能となり、植物の受精卵から幼植物が作られる仕組みの解明や、種子の生長向上や食料増産技術につながると期待される。また、マイクロ加工技術の植物科学分野への展開が゙加速すると期待される。

図1:

マイクロケージに固定した胚珠の経時観察。マイクロケージによって、胚珠が安定して保持されたまま、胚珠の生長が観察された。PDMSによる生長の阻害は観察されず、また胚珠がケージサイズより大きく生長しても、PDMSの柔軟性により胚珠がケージを押し出し、生長を阻害することなく培養が可能である。スケールバーは250µm。

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