論文紹介

第22回論文紹介(2014.1更新)

グループ名
計時機構グループ、植物生理学グループ
著者
北山陽子、大川(西脇)妙子、杉澤由姫子、近藤孝男
タイトル(英)
KaiC intersubunit communication facilitates robustness of circadian rhythms in cyanobacteria.
タイトル(日)
KaiCのサブユニット同士の相互作用がシアノバクテリアの概日リズムを頑強にする
発表された専門誌
Nat. Commun. 4:2897 doi: 10.1038

生物は,概日時計を利用して様々な生理現象を時間的に制御し、効率的に生活しています。概日時計を持つ最も単純な生物であるシアノバクテリアでは、KaiA, KaiB, KaiCという三つの時計タンパク質が概日リズムをつかさどっています。中心時計因子であるKaiCは6量体構造を持つATPaseであり、さらに自己リン酸化、自己脱リン酸化活性を持っています。これまでの解析から、KaiCの6量体構造に基づく活性こそが概日時計の基盤であると考えられてきましたが、その制御機構は明らかではありませんでした。
 本研究で私たちは、活性に重要なアミノ酸を変化させたKaiCの6量体をばらばらにした後、混合し、6量体を再構成することで,6量体構造としての活性制御機構を解析しました。その結果、二種類の制御機構があることがわかりました。一つはサブユニットの接触面においてATPase活性とヌクレオチド状態に依存して自己リン酸化と自己脱リン酸化が制御されるという局地的な機構であり、もう一つは、サブユニット間相互作用によって6量体全体の活性が同調的に制御される機構があることがわかりました。このサブユニット間相互作用による内部同調によって、非常に安定な24時間周期のリズムを形成されます。このリズム安定化機構は、概日時計が、大きな変化にさらされる細胞環境において、生理活性を正確に制御するために必須な性質であると考えられます。

図1:6量体内部の相互作用によってKaiCは同調して振動する

KaiCのリン酸化サイクルは4つのリン酸化状態を順番に繰り返している(左図)。この順番に振動が同調して持続するために、6量体の内部でリン酸化状態に依存してサブユニット間の相互作用が働いて自己リン酸化活性が制御されている(右図)。

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