論文紹介

第22回論文紹介(2014.1更新)

グループ名
超分子機能学講座 生体膜機能グループ
著者
Sakuma M, Imada K, Okumura Y, Uchiya K, Yamashita N, Ogawa K, Hijikata A, Shirai T, Homma M, Nikai T
タイトル(英)
X-ray structure analysis and characterization of AFUEI, an elastase inhibitor from Aspergillus fumigatus.
タイトル(日)
Aspergillus fumigatus由来エラスターゼインヒビターAFUEIのX線結晶構造解析
発表された専門誌
J. Biol. Chem.,288(24): 17451-17459 (2013)

Aspergillus fumigatusの産生するエラスターゼは、真菌由来の難治性日和見感染症、アスペルギルス症の重要な原因物質の一つである。そのインヒビターAFUEIは68残基のタンパク質で、A. fumigatusA. flavus のエラスターゼ、ヒト好中球エラスターゼ、ブタ膵臓エラスターゼ、ウシキモトリプシンに高い阻害活性を持ち、市販の医療用エラスターゼインヒビターよりも、少量で高い阻害活性を持っている。ヒト好中球エラスターゼに阻害活性があることから、AFUEIは、アスペルギルス症だけでなく、急性肺障害の治療薬として期待されている。X線結晶解析により得られたAFUEIの全体構造はくさびの形をしており、土台となるコア構造からループが伸びる形をしていた(図1)。このAFUEIの立体構造は、主に植物由来のpotato I family に属するセリンプロテアーゼインヒビターと著しく良く似た構造をしていた。しかしながら、ループ部分を除いては両者のアミノ酸配列の類似性は低かった。AFUEI はコア構造と結合ループの間に、potato I familyのインヒビターと同様の水素結合のネットワークを持ち、ループ部分の動きを固定するという同じ阻害機構でプロテアーゼを阻害することが推測できた(図2)。また、AFUEIとpotato I familyのインヒビターとの分子系統解析により、真菌由来のAFUEIが、配列類似性は低いにもかかわらず、植物および環形動物由来のpotato I family インヒビターと進化的類縁性を持っていることが明確に示された。

図1:AFUEIの立体構造

図2:コア構造と結合ループ間の水素結合のネットワーク

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