論文紹介

第24回論文紹介(2014.10更新)

グループ名
細胞制御学グループ
著者

Manoj Menon、澤田明宏、(他9名)、木下 専*、Matthias Gaestel* (* 共同責任著者)

タイトル(英)
Genetic deletion of SEPT7 reveals a cell type-specific role of septins in microtubule destabilization for the completion of cytokinesis
タイトル(日)
細胞質分裂完了に必要な微小管脱安定化におけるセプチンの役割が細胞種によって異なることがSEPT7遺伝子欠失で明らかになる
発表された専門誌
PLoS Genetics 10(8): e1004558, 2014

細胞分裂のセプチン要求性は出芽酵母で最初に発見されたが、哺乳類でも保存されていることは培養細胞への抗体注入やRNAiを用いた著者らの先行研究で示された(Genes Dev 1997; Science 2005)。本研究でセプチン重合の必須サブユニット SEPT7を欠損するマウスを作製したところ、線維芽細胞の細胞質分裂はアセチル化微小管の蓄積と紡錘体ミッドボディーの残留を伴って遅延・中断し、細胞は多核化して細胞周期が停止した。SEPT7欠損個体の発生は原腸陥入段階で停止し、胎生致死となった。ここまでは予測通りであったが、血球系細胞の細胞質分裂は正常に進行し完了するという想定外の現象がみられた。解析の結果、血球系では微小管脱重合因子Stathmin 1(STMN1)の発現レベルが線維芽細胞より顕著に高いことから、SEPT7欠損線維芽細胞にSTMN1を過剰発現すると細胞質分裂の破綻がレスキューされた。逆に、STMN1を欠乏させた血球系細胞ではセプチン脱重合阻害剤FCFの細胞分裂阻害作用が増強した。以上から、同一個体内でも細胞の種類による細胞質分裂の分子基盤の違いによりセプチン要求性が異なる事実が明らかとなった。同時に、セプチンを分子標的とする細胞分裂阻害剤が造血系・免疫系へのダメージが少ない抗がん剤となり得る可能性も示唆された。(本研究は独Hannover大学との共同研究として行った。)

カレンダー

今後の予定


pagetop