論文紹介

第24回論文紹介(2014.10更新)

グループ名
細胞制御学グループ
著者

服部頼都、(他9名)、木下 専、猪原匡史

タイトル(英)
Silent information regulator 2 homolog 1 counters cerebral hypoperfusion injury by deacetylating endothelial nitric oxide synthase.
タイトル(日)
長寿遺伝子産物SIRT1は内皮型一酸化窒素合成酵素eNOSの脱アセチル化によって脳血管を拡張させて虚血性脳障害を軽減する
発表された専門誌
Stroke (November issue) 2014

SIRT1を脳・脊髄で高発現するトランスジェニックマウス系統(上記論文参照)の両側総頸動脈を留置コイルで絞扼することで慢性的な脳虚血負荷をかけ、レーザードップラー法で脳血流を計測した。すると野生型マウスではみられる脳血流減少が著しく抑制され、その後慢性的に進行する神経組織変性(白質中心の脱髄や神経細胞の脱落など)も有意に減少した。その結果、放射状迷路課題における作業記憶障害も有意に改善した。この予想外の抵抗性はSIRT1の脱アセチル化活性阻害剤サーチノールや一酸化窒素合成酵素eNOSの阻害剤で消失し、SIRT1の間接的賦活剤であるレスベラトロールの野生型マウスへの投与で再現された。解析の結果、プリオン遺伝子プロモーターで発現させたSIRT1は目的とする神経細胞だけでなく血管内皮細胞でも増量していることがわかった。即ちSIRT1による脱アセチル化でeNOS活性が増加した細動脈は拡張性を増しているが無刺激状態ではその影響は顕在化せず、絞扼に対してのみ代償性拡張が亢進すると考えられた。本研究は脳虚血に対するレスベラトロール等の低分子化合物によるSIRT1賦活療法の有効性に実験的根拠を与える。(本研究は国立循環器病研究センターとの共同研究として行われ、この知見に基づいて血管性認知症に対する臨床治験が実施されることとなった。)

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