論文紹介

第24回論文紹介(2014.10更新)

グループ名
遺伝子解析学グループ
著者

一瀬瑞穂、内田雅人、杉田 護

タイトル(英)
Identification of a pentatricopeptide repeat RNA editing factor in Physcomitrella patens chloroplasts
タイトル(日)

ヒメツリガネゴケ葉緑体のRNA編集因子の同定

発表された専門誌

FEBS Letters, in press (2014). 10.1016/j.febslet.2014.09.031

mRNAの特定のシチジン(C)がウリジン(U)に変換される「RNA編集」が葉緑体で起ることが知られています。葉緑体のRNA編集部位は種子植物で30~40カ所、シダ植物のアジアンタムで350カ所、コケ植物のツノゴケでは千カ所もあります。これに対して、ヒメツリガネゴケの葉緑体では、rps14-C2部位とその2ヌクレオチド上流の−1C部位のたった2カ所でしかRNA編集が起りません。編集効率はrps14-C2部位で70%ですが、−1C部位では10%以下にすぎません。隣接した2つの部位でRNA編集効率が大きく異なるのはなぜでしょうか?私たちのこれまでの研究で、葉緑体のRNA編集因子の候補としてペンタトリコペプチドリピート(PPR)モチーフからなるPpPPR_45が有力であることが予想されていました。本論文では、PpPPR_45遺伝子の発現抑制株と過剰発現株を用いた解析により、PpPPR_45が予想通り2カ所のRNA編集に関わっていることを明らかにしました(図1)。PpPPR_45のPPRモチーフのアミノ酸コードからPpPPR_45がrps14編集部位の上流に結合すること、および結合位置が2ヌクレオチド上流にずれる可能性が浮かび上がってきました。編集効率の低い−1C部位でのRNA編集はPpPPR_45のきまぐれな結合の結果起ったのではないかと考えられます。

図1:

PpPPR_45遺伝子の発現抑制株 (A)と過剰発現株(B)におけるrps14 mRNAのRNA編集部位(−1C siteとC2 site)の編集効率。発現抑制株をβ-estradiol存在 下で生育するとC2 siteの編集効率が顕著に減少した。これに対して、過剰発現株 では2つの部位でのRNA編集効率が上昇した。

図2:

PpPPR_45のPPRモチーフのアミノ酸コード(6番目と1’番目のアミノ酸の組み合わせ)から結合するRNA配列を 予測(prediction)した。予測配列は2カ所の編集部位の上流配列とほぼ一致している。PpPPR_45の結合位置が 2ヌクレオチド分ずれることにより、-1C部位をRNA編集するようになると考えられる。

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