論文紹介

第24回論文紹介(2014.10更新)

グループ名
細胞生物学グループ
著者

平子善章、米元裕貴、山内友恵、西沢祐治、川本善之、尾張部克志

タイトル(英)
Isolation of a Hemidesmosome-rich Fraction from a Human Squamous Cell Carcinoma Cell Line
タイトル(日)

ヒト扁平上皮がん由来株細胞からのヘミデスモソーム画分の単離

発表された専門誌

Exp Cell Res. 324(2):172-182. 2014

ヘミデスモソームは主に表皮などの上皮組織において細胞を基底膜に結び付けている接着タンパク質複合体である。ヘミデスモソームを構成するタンパク質の多くは自己免疫性および遺伝性の表皮水疱症の原因分子としても知られている。今回、私たちはヒト扁平上皮がん由来の培養株細胞DJM-1から、ヘミデスモソーム構成タンパク質とヘミデスモソームの基底膜リガンドであるラミニン332を多量に含む画分を単離する事に成功した。DJM-1細胞を初代角化細胞用無血清培養液中で、最終濃度10~60μMの低濃度カルシウムが存在する条件下、10日間から14日間継続して培養する。このような条件下では、DJM-1細胞は通常培養ではあまり認められないヘミデスモソームを多量に形成する。透過型電子顕微鏡による観察でも、電子密度の高いプラーク構造が多数観察され、形態的にも成熟したヘミデスモソームが形成されていることが明らかとなった。このようなDJM-1細胞をアンモニア水溶液で処理することで取り除き、培養皿上に残ったヘミデスモソームとラミニン332を単離画分として回収することができた。今回、報告したDJM-1細胞の培養法はヘミデスモソームの分子構築や形成のメカニズムを解明するのに貢献するだけでなく、これまで難しかった自己免疫性皮膚疾患の自己抗原の同定が、ヘミデスモソーム画分を用いる事で容易になるものと考えられる。

図1:

表皮のヘミデスモソームと構成タンパク質を模式的に示した。

図2:

ごく低濃度のカルシウム存在下(KGM−Ca)でDJM-1細胞を長期培養するとヘミデスモソームが形成/蓄積されるようになるのが抗体染色像(A0)と電子顕微鏡による観察像(B、矢尻)からわかる。このようなDJM-1細胞から調製したヘミデスモソーム画分には8本の高分子量ポリペプチドが含まれていた(C)。質量分析により、これらのポリペプチドがヘミデスモソーム構成タンパク質(1、2、4、5、8)とラミニン332(3、6、7)であることが確かめられた。Bars:20μm(A),500nm (B)

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