論文紹介

第37回論文紹介(2021.6更新)

グループ名
生体機序論グループ
著者

酒井 芳樹、恒川 真有香、太田 航平、清水 達太、ストラヒル パストゥホフ、花房 洋、久本 直毅、松本 邦弘

タイトル(英)
The integrin signaling network promotes axon regeneration via the Src–Ephexin–RhoA GTPase signaling axis
タイトル(日)
インテグリンシグナルネットワークはSrc–Ephexin–RhoAシグナル軸を介して神経軸索再生を促進する
発表された専門誌
The Journal of Neuroscience, in press

神経軸索再生は損傷した神経を修復するために必須の過程であり、線虫からヒトまで種を超えて保存されている。線虫C.elegansにおいて、神経軸索再生の開始は活性化した低分子量Gタンパク質RhoAがRhoキナーゼを介してミオシン軽鎖のリン酸化を誘導することにより行われる。しかし、軸索切断後にどのようなメカニズムでRhoAの活性化が誘導されるのかは不明であった。今回我々は、軸索切断による細胞内cAMP濃度の上昇が、Rapグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)Epacを介して低分子量Gタンパク質RapをGDP結合型からGTP結合型に変換することで活性化し、次にそれがtalinを介して細胞内からインテグリンの活性化を誘導することを見出した。活性化したインテグリンは、非受容体型チロシンキナーゼSrcを介して、RhoGEFであるEPHX-1/Ephexinの自己阻害ドメインのチロシンリン酸化を誘導する。このリン酸化によりEPHX-1の自己阻害が解除された結果、活性化したEPHX-1がRhoAのGDPをGTPに交換することでRhoAが活性化される。以上の結果より、軸索切断はインテグリンシグナルネットワークを介してSrc–RhoGEF–RhoAシグナル軸を活性化することにより、神経軸索再生を促進することが示唆された。

図:インテグリンシグナルネットワークによる神経軸索再生制御

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